【d!】Nightmare Cage【ﾛ兄鬼】 (ページ26)

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檻、弐拾陸ページ26

――誰かの声がする。

「――我はとても気に入っている。彼女を守りたいと思う姿勢……貴様なら全て壊してでも守りたいと願うか。」

こくり、頷いた。彼女を守るためなら、なんだって壊せる。

「……仲間を、壊したとしてもか？」

嘲笑うような声。それには頷けず、だまり込めば

「人間くさい――……だが我には貴様は似合うだろう。……契約をしないか。」

契約？

「……さすれば力を貸してやろう。」

――俺の名は……

「ふむ、気に入った。我が名は……！……よろしく頼むぞ、主」

そう言ってその声は消える。それと同時に俺の意識は閉じていった。

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ゆらり、立ち上がる。それを手にしながら床に転がるモノを横目に歩いていく。
自分が、自分がどうにかしなきゃ。……そしたら誰も苦しまずに済む。この手を汚すのなら……自分が。
きっと、救ってみせるさ。

――もう全部終わりにしよう。

そうニヤリと笑いながら歩みを進めた。

かつかつと歩いていけば……獲物がいた。
何かを探すかのように探している後ろ姿。初っ端奴を始末するのは少し心が痛む――が、全て真っ白にするのだから関係ない。

さよなら。
心の中でそう呟き無防備な背中に刀を振りかざした。

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何だかこの数時間で館に漂う雰囲気は変わってしまった。元々異質だったものがさらに異質に。――何か、ただならぬことが起きていてそれに巻き込まれているんじゃ？
そんな思いを払拭するように今いる場所をぐるりと見渡す。……あらかた応接間と言ったところか。豪華な装飾が施されており、置いてあるものは高いんだろうな、そんな印象を受ける。
応接間に飾られた時計は――3時を差している。残り1時間。それまでに、どうにかしなければならない。
焦りが自身を掻き立てたが無力だと痛感した。探索で何か貢献出来た訳でもない。
――何か、自分も貢献出来たなら。存在意味というものがあるのに。何も無い。
ぎゅっと拳を握り締めたその瞬間。――ピリッとした空気が張り詰めた。この感覚、何度も味わった。これは。

異質さが、増す時の感覚だ。

今度は何が巻き起こるのか。ぶるり、身震いしながら頭を振り探索を続けることにした。
……と言っても、玄関は空いているから探すのは堕天した者を、倒す方法。まず、まずだ。堕天した者と言うからには存在はしているのだろうけれど。倒すとは何をすれば倒せるのだろうか。グルグルと巡る思考は答えをくれなかった。