【d!】Nightmare Cage【ﾛ兄鬼】 (ページ19)

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檻、拾玖※描写注意ページ19

シャオロンは、あっさり答えた。

「ラテン語やな……、え、と……。」

その時ふわり、とシャンプーの匂いが漂ってきた。あの、心地の良い懐かしい匂い。どこから、と辺りを見渡せばどこから現れたのかメイド服を着たメイドさんが佇んでいた。
――微かに目元が赤いような気がした。
声を出そうとした。否、出なかった。その場にいる誰もが声を発さない。発することを許されなかった。
カツカツとヒールを鳴らしながらこちらに歩みよってくる彼女は、案内してくれた様相とは違い薄く目を開いており、三日月に歪めた唇をしていた。

「あはは、それを読んじゃって良いのかい？君たちは面白いことをするね、読んでみなよ。」

――男性とも女性とも取れない声が、中性的な声がそう告げる。愉快だ、と言わんばかりに歪められた口元、拍手をする手、全てが全て、彼女のものではないような――

にじり寄られる、気味の悪いそれから後退りを続ければ、

「――伏せて。」

口元が、一文字になった。目を開いて俺たちの前に立ち塞がるような動きを彼女は見せた。
その瞬間、パリンっ！と軽快な音と共に、菫色が飛び込んできた。赤く染まり、手に日本刀を携えた菫色から舌打ちが聞こえる。

「ッチ、何で邪魔するんすか……せっかく一人は食えそうだったのに。」

「――……そうは、行きませんので。」

やんわりと微笑む彼女はパチリ、と指を鳴らした。

「これが最後の支援かも知れませんね、さぁ、真実を知るときですよ……混ざりし者たち。」

微かに聞こえたその声は、真実を、教えてくれた時の彼女は――まるで、何度もしんだかのように、苦しそうだった。
まって、そう声を発する前に俺たちの視界は別の場所を写し出していた。

――どうやら、本館の中に全員戻ってきたようだ。……いつの間に？
というか、さっきまで何をしていたんだっけか。ふと思考する。皆も同じなのか困惑の色を見せていた。ふと赤が視界に入って、なんだ、と思えば赤、赤、赤。思わず、ひゅ、と喉がなるが誰もおらず、何処かに赤が続いていた。……壁の方に。
今俺たちは玄関にいるのだが、その真っ直ぐ、そこに赤が続いていて、それをたどっていけば1枚の絵画と、ロボロ、ゾム、Aが立っていた。3人は赤く染まっていたが平然とその場に存在している。

「ん？あ、お前ら帰ってきたんか。って、大先生めっちゃ顔腫れてるで！？大丈夫か！？」

―――――――

眠りまくって遅刻しました、ごめんなさい！