信頼 ページ5
二人は部屋を脱出した……かに思われたが、どうも様子がおかしいことに気付く。
『え……？ここは廃校舎…ですよね？』
「………どうやら奴の罠に嵌まったようだ……」
『……！？す、すみません…私のせいで……』
申し訳なさそうに項垂れるイメルダ。自分があそこで引こうと言わなければ……でもあのままでは確実に斬島は負傷してしまう。
今の最悪な状況がイメルダの罪の意識を刺激する。自分を責める彼女の頭を斬島が優しく撫でる。
『！！……き、斬島さん……』
「そう、自分を責めるな。お前は何も間違った事はしていない」
『でも…………っ！！』
「あのまま挑んだとて勝機はない。だが確実に勝つ方法がきっとある………イメルダ、お前はそう思って引こうと言ったのだろう？」
『はい……』
「そうか………なら俺はお前を信じる。必ず脱出して、奴の鼻を空かしてやろう」
『っ…………はい！！』
イメルダは力強く頷いた。実直で裏表のない斬島の言葉が嬉しかった。彼のためにもこの任務、失敗は許されない。
まずはここを脱出し、偽物を倒さなければ先には進めないだろう。恐らく放って置けば邪魔をしてくる。奴を確実に追い詰める方法……それは……
『斬島さん、本体の鏡を探しましょう』
「本体の……鏡？」
『はい。佐疫さんが言っていましたよね？鏡の怪異だと。どこかにあれを産み出した本体がある筈です』
鏡に写ったものをコピーする…と言う事は、鏡が媒体となっている。しかし、ただ闇雲に壊しても追い詰める事は出来ない。重要なのはアレが潜んでいるであろう鏡を見つけて破壊するという事。そうすればアレの力を削ぐ事が出来る筈だ。
イメルダがその事を説明すると、彼は軽く目を見開く。あんな短時間でそこまで分かるとは。やはり彼女は軍人であると実感する。
『お手伝いなのに、なんか偉そうにすみません……』
「いや、そんな事はない。そうだな……やってみるか。イメルダの策なら安心して実行出来るからな」
『あ、ありがとうございます！！なんとしてでも脱出しましょうね！斬島さん！！』
「嗚呼、頑張ろう」
二人は笑い合うと、鏡を探しに歩きだした。
＊＊
「しかし、軍人というのは闘いだけではないんだな」
『はい。戦に出る前には兵法や医療の知識、心理学も学ぶんです』
「大変なんだな………やはりお前は凄いな」
『え？あ、いや/////そ、そんな事は…ない、です』
「ｸｽ………可愛いな……」
『？』
「いや。さあ行くぞ」
『はい！』
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柊羽(プロフ) - 月華さん» ありがとうございます！！これからも駄文ですがコツコツ更新していきますので、よろしくお願いいたします。イラストへのコメントもありがとうございます。 (2016年7月4日 8時) (
レス) id: 9a8d1a9239 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - ていうか画力が神ですね！尊敬します！ (2016年7月3日 13時) (レス) id: 733f44e5a8 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - すごい大好きです！応援してます！ (2016年7月3日 13時) (レス) id: 733f44e5a8 (このIDを非表示/違反報告)
柊羽(プロフ) - リンカさん» ありがとうございます。拙い文章ですが、楽しんでいただけて嬉しいです。 (2016年3月28日 19時) (レス) id: 9a8d1a9239 (このIDを非表示/違反報告)
リンカ - 凄く面白いです！！ 更新頑張って下さい！ (2016年3月28日 14時) (レス) id: bf716977a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊羽 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/ys3127/
作成日時：2016年3月22日 19時
