4話 ページ5
side:A
「……盧笙さん」
「あっ……はい。」
「盧笙さんは、前向きにこの見合いの話受けたんですか」
「……あぁ…えー……嘘ついてもしゃあないか…。
俺、昔から母親に見合い話もちかけられまくってて毎回断っとったんです……。」
「…やしそろそろ受けとこうかって感じで?」
「気悪いですよね。すみませ…」
「そんなん!全然気悪いとか無いですよ!なんなら俺も昔っから断り続けて今回が初めてで!!」
俺の言葉に盧笙さんはほっと胸を撫で下ろして、
“そうですか…お互い苦労してますね”と少し眉を困らせながらふふっと微笑んでみせた。
心臓が飛び跳ねた。
綺麗すぎる。
しかも今回が初めて!?こんな偶然ある!?
こんなん奇跡やん!!!!神様ありがとう!!!!!
盧笙さんが前向きにこの話を受けた訳でなかったとしても、実際に会ってこの距離で話せる事が嬉しかった。
俺は彼さえ良ければすぐにでも話を進めようと思っていたが、やはり現実そう上手くはいかないものだ。
「じゃあ今回は連絡先交換だけして親には適当に言いましょか」
「え……?俺と同じやないんですか…?」
「んーー。これもなんかの縁やと思いますし連絡先くらいは交換したいなって思って。ダメですか?」
てっきりこの話は完全に流すものだと思っていた様子で、目を見開いていた。
「そうですね。交換だけやったら。」
盧笙さんのLINEのQRコードを読み込んで、適当にスタンプを送り合った。
っしゃ!!連絡先ゲット〜♪
「あと…同級生みたいですし、LINEでだけでもタメで喋りませんか?」
「…ええですよ」
とはいえ、何を話すんだと思ったが…なんとかなるだろう。
この人を逃したらもう二度と俺は好みの人に出会えない気がしたし、見合い以外で付き合った人とは家同士の付き合いが気になっていたけどその心配もない。
かなり条件がいい。いや、良すぎる。
考えれば考える程この人しかいないという気持ちが強くなる。
盧笙さん。
会ったばっかりですけど、
俺、あなたが好きです。
───
2人で両親の待つ個室に戻りお互いの両親に今回は連絡先交換だけにすると伝えた。
『そりゃそうや。2人のペースで進めるのが1番!』
俺の両親も盧笙さんの両親も大層喜んでいて、
まるで俺らが交際する事が確定しているかのような雰囲気で頭を抱える。
盧笙さんと目を見合わせてお互い困り顔で笑い合った。
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柊(プロフ) - 香田さん» 感想ありがとうございます!励みになります(><)!ゆっくり更新ですが、頑張りますのでよろしくお願いします(^^)! (5月5日 1時) (レス) id: 81a5ac77e5 (このIDを非表示/違反報告)
香田 - とっても好きです!繊細な心理描写が素敵で、読みながらこっちまでドキドキしてしまいました…!甘酸っぱい恋模様がこれからどうなるのか気になります(//∇//)陰ながら応援しております〜! (2023年4月27日 20時) (レス) @page12 id: f967239fc7 (このIDを非表示/違反報告)
粽(プロフ) - メガネクンさん» コメントありがとうございます!ノロノロ更新ですが頑張りますのでよろしくお願います(^^)! (2023年3月29日 12時) (レス) id: 81a5ac77e5 (このIDを非表示/違反報告)
メガネクン - この作品めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2023年3月27日 16時) (レス) @page6 id: 58566d1681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2023年3月20日 5時