17話 ページ18
side.A
〜♪
〜〜♪
「───携帯!携帯鳴っとるで!」
薄目を開けると盧笙が立って俺を見下ろしていた。
「へっ!?ご、ごめんっ」
盧笙が突き出してきた俺のスマホの画面には”母さん”の文字が。慌てて上体を起こしてスマホを受け取る。俺が電話に出たのを確認して、盧笙はリビングへと歩いていった。
「もしもしー?」
『もしもし。あんねぇ、躑躅森さんからさっき連絡があってねぇ?』
「ん?盧笙の?」
『そうそう、盧笙くんのお母さんから。あんたらどんな感じかて。』
「どんなて言われても……仲良うしてるとしか」
『なにその曖昧なん。…あんたもしかして、また私を困らせよう思て適当に話受けたんちゃうやろね。』
「っちゃうわ!!」
“適当”という言葉がひっかかり、つい声を荒げてしまったが、こちらの話し声が盧笙にも聞こえているかもしれない。少し声のボリュームを下げて、話す。
「……本気や、俺は。」
『ほんまに?』
「、俺はな?」
『もー、安心したわぁ。躑躅森さんがAくんは普通に友達として仲良うしたいみたいやて、盧笙くんが言うてくるーて言うしね。』
─あぁ、やっぱり俺は、盧笙にとってそんな風に見えてるんや……。
「ほっといてや。それに俺ほんまはもっと───」
もっと。
近付きたい。
親密になりたい。
そんな気持ちが声をついて出そうになったが、万が一盧笙に聞かれていては具合が悪いので、早めに切ることにした。
「てか切っていい?後にしてくれん?今出先やねん」
母が何やらゴチャゴチャ言っていたが、はいはいまたあとでーと、そそくさと通話を切るボタンを連打した。
母と話すと本当に疲れる。特に寝起きは最悪だ。重いため息をついてスマホの画面を眺めていると、リビングから盧笙が顔を出して「何かあったか?」と聞いてきた。
「なんもないで!大丈夫!…あ、布団ありがとう」
「俺も昨日はすまん。気付いたら寝てたわ。」
「てか一緒に布団で寝たら良かったな!はは!」
冗談混じりに言ってみる。こちらを見つめて眉間に皺を寄せる盧笙。とんでもなく怖い顔で見つめてくるものだから、流石に引かれたかと不安になり、冗談やでと言いかけたところで盧笙が口をひらく。
「アホ、男2人はギチギチすぎて逆に寝てられんやろ」
「そっ、そーですよねー!あははー!!」
「…もう一組布団買っとくわ。」
うんうん!!
…………………え?
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柊(プロフ) - 香田さん» 感想ありがとうございます!励みになります(><)!ゆっくり更新ですが、頑張りますのでよろしくお願いします(^^)! (5月5日 1時) (レス) id: 81a5ac77e5 (このIDを非表示/違反報告)
香田 - とっても好きです!繊細な心理描写が素敵で、読みながらこっちまでドキドキしてしまいました…!甘酸っぱい恋模様がこれからどうなるのか気になります(//∇//)陰ながら応援しております〜! (2023年4月27日 20時) (レス) @page12 id: f967239fc7 (このIDを非表示/違反報告)
粽(プロフ) - メガネクンさん» コメントありがとうございます!ノロノロ更新ですが頑張りますのでよろしくお願います(^^)! (2023年3月29日 12時) (レス) id: 81a5ac77e5 (このIDを非表示/違反報告)
メガネクン - この作品めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2023年3月27日 16時) (レス) @page6 id: 58566d1681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2023年3月20日 5時