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11話 ページ12

side:盧笙


Aとの会話は妙に心地いい。やかましすぎず、陰気臭くもない。丁度ええ…。

両親に俺らが頻繁に飲んだりしてる事を伝えると、決まって雰囲気はどんな感じやとしつこく聞いてきよる度に、
『(あぁ、俺らは見合いで出会ったんやった)』と思い出す。
見合いとか、そんなん関係なしに出会って仲良くなったツレみたいな感覚で喋ってるし、Aもそんな感じで俺に接してきとる。境遇も似てるし、普通に仲良くしたいんやと思う。

”多分Aくんは、友人として俺と仲良くしたいだけやと思います。”

そう返すと毎回胸がヒヤッと冷たくなるみたいな感覚があった。


風呂から上がって、冷蔵庫から缶ビールを一本取って一口飲んでから、風呂上がったでと机の上のスマホに向かって言う。
Aも酒持ってきて飲み出して、ちょっと話していい感じになった所で時計見たらもう23時を回っとった。
明日も早いし俺はもう寝るな、言うて通話切って布団に入った。

酒が回ってフワフワするなぁと目を閉じる。



『Aって呼んでください。呼び捨て。』

『盧笙………………』


あかん。また初めて飲みに行った時のAの、
あの言葉が、声が、頭ん中でループしとる…。


──盧笙………。



心臓がうっさい。

別にあいつは俺にツレ以上の特別な気は無いはずや。

ただちょっと境遇が似とるやつが見合い相手で来たから、
普通に仲良うしたいな思うただけやろ。

俺かて親近感湧いたのは事実や。気さくやし、悪い奴ちゃうやろなと思たから会うたりして…。


でももし、Aが最初からずっと俺に気あったりしてたんなら………


これからもこんな風に普通のツレとして仲良うし続けんのは、無理なんちゃうか。


もしもAが俺にその気を出してきたとして、俺がツレでいようやと断って、お互いの両親に俺らはそんなんじゃ無いと伝えたら、どうせまたしつこく見合いの話が来るんやろな。


ほんでそれは勿論、Aのとこにも。


急に喉に熱いもんが込み上げてきたような気がして、咄嗟に口元を抑える。
目を瞑ってゆっくり呼吸を整えてるうちに、俺は眠りについとった。

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設定タグ:ヒプノシスマイク , 躑躅森盧笙 , 男主   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 香田さん» 感想ありがとうございます!励みになります(><)!ゆっくり更新ですが、頑張りますのでよろしくお願いします(^^)! (5月5日 1時) (レス) id: 81a5ac77e5 (このIDを非表示/違反報告)
香田 - とっても好きです!繊細な心理描写が素敵で、読みながらこっちまでドキドキしてしまいました…!甘酸っぱい恋模様がこれからどうなるのか気になります(//∇//)陰ながら応援しております〜! (2023年4月27日 20時) (レス) @page12 id: f967239fc7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - メガネクンさん» コメントありがとうございます!ノロノロ更新ですが頑張りますのでよろしくお願います(^^)! (2023年3月29日 12時) (レス) id: 81a5ac77e5 (このIDを非表示/違反報告)
メガネクン - この作品めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2023年3月27日 16時) (レス) @page6 id: 58566d1681 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年3月20日 5時

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