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15話 ページ15




可愛い私の妹。

天真爛漫でいつも笑顔を絶やさなかった。

そんな妹が大好きだったし、自慢でもあった。

私な妹さえいれば他には何も要らなかった。

「お姉ちゃん見て!あの鳥!すっごく珍しい色してるんだよ〜!」

『え〜、どこ?』

「だから、あそこ!!お姉ちゃんちゃんと見てよ!」

『ちょっとだけ待ってねぇ…お姉ちゃん今忙しくて……』

「だから!お姉ちゃん!!きゃ…!」

母が買い物に行っていて、2人で留守番をしている時のことだった。

私は学校の宿題をしていて、妹はベランダで遊んでいた。

私は宿題に集中していて、妹の話なんて少ししか聞いていなくて…

ベランダから身を乗り出した妹はバランスを崩して落下してしまったのだ。

私は咄嗟に駆け寄った。

机に体をぶつけて置いてあったカップが割れて、痛かったけれどそんなこと構わなかった。

今でも思い出す。カップの割れる音、妹の悲鳴、地面にぶつかる鈍い音……

全てがスローモーションのように再生されて、頭から離れない。

それからというもの、私のせいで妹が死んだという事実に耐えきれず、私は自分の部屋に閉じこもるようになった。

学校にも行かなくなった。

そんな私を心配して両親は何度も部屋を訪ねてくれた。

でも、会うことはできなかった。

どんな顔をすればいいのか分からなかったから。

気がつくと朝になっていた。

外には雨が降っていた。

ふと、窓の外を見る。

すると、そこには傘を差してこちらに向かってくる両親の姿があった。

少し話をしなければならない。

陽菜のことを謝らなければいけない。

そう思った。

ガチャリ

玄関の鍵を開ける音が聞こえて、慌ててドアを開く。

すると、驚いたような表情を浮かべる父と母の姿が見えた。

パァンッ!

突然、頬に強い衝撃が走る。

なんで……?どうして……?

何が起こっているのか理解できなかった。

呆然と立ち尽くす私のことを見つめる父の目はどこか冷たかった。

母はただひたすら涙を流し続けていた。

「近づかないで…もう顔も見たくない……出て行ってちょうだい……お願い……もう私たちを苦しめないで……!!」

なんで……?

なにこれ……夢……?

違う…私は人を殺したんだ……

私のせいで妹は死んだんだ……


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作者名:おふとん天使 | 作成日時:2023年7月11日 8時

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