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気を取り直し、場を取り繕うかのように明るく言うハンジさんに対し、リヴァイさんの表情は未だ冴えない。
どうやら随分とAという人の事を心配しているようだった。
「……リヴァイさんは優しいんですね。私がいたところの兵長は、優しいけど、とても厳しい人だった」
思ったことをそのまま口にすれば、目の前のリヴァイさんの眉がぴくりと動いた気がした。
「うーん、そこはほら、それこそ年の功？かな？それに、こんな平和が当たり前の世界で過ごしてきた彼女だからね。いきなりあの世界に放り込まれと考えると、気にかかるのは当然のことだ」
確かに、この世界からしたら進撃のあの世界は随分と厳しい世界だ。
私はかろうじて【進撃の巨人】という世界を知っていたから色々と対策もとれたし、異世界特典にも随分と助けられたからやってこられた。
だけどAさんがその世界のことを知らないまま、いきなりあの世界に放り出されたのだとしたらと考えると、心配してしまう気持ちも分かる。
「その、Aさんって、一体どういう人なんですか？」
今や自分の身体であり、あちらの自分の中身である人は、一体どんな人なんだろうと気に掛かり聞いてみる。
「あえていうなら……天然……かな？」
というハンジさんに続いて、
「台風の目みたいなやつだ」
とリヴァイさん。
「いや、台風の目って……」
「いわゆる
「からまれ…え、それって大変なんじゃ……」
「……」
「……だけど、もうこうなったらAちゃんを信じるしかないよ」
「彼女はやれるコだよ！」と続けるハンジさんに対し、
リヴァイさんは深いため息をこぼしてから、改めてこちらに視線を向けてこう言った。
「とにかく、ヒナコ。お前が唯一の手掛かりだ。協力しろ」
自分の身体があっちにあり、戻ってきたとはいえ、ここが私が元いた場所ではなくて、分からないことや知らない事もたくさんある。
もちろん断る理由もなかった。
そして、起こっている不思議現象に対し、私が何ができるのかは分からないけれども。
とにかく、リヴァイさんやハンジさん達に協力することに決めたのだった。
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いぬぬ - 全シリーズ夢中で読みました。兵長の夢小説沢山ありますが、kokubyakuさんのが1番好きです！ストーリーの展開、台詞回しなどがツボで萌えが止まりませんでした。大感謝です！これからも応援してます！ (2023年3月31日 22時) (
レス) id: f7c95a5120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kokubyaku | 作成日時：2022年9月7日 17時
