🌙W.A.S：10 ページ10
その後、本部まで帰ってきた私は、女神 ─── もとい、ペトラさんに箒を渡すと、そのまま別れて、ハンジさんの待つ研究施設へと足を運んだ。
巨人研究所といっても、今はまだ巨人がいるわけではない。
倒すのでもやっとの巨人だからこそ、なかなか捕獲できないというのが現状らしい。
ノックをして、ハンジさんの研究室に入る。
ゴチャッという表現がぴったりなこの部屋の、主に片付けが私の仕事だ。
結局、片付けからは逃れない運命だったのかと、当初はそう考えていたが、ハンジさんがその辺に関心がないお陰で、多少散らかっていても特に何にも言われない。
それどころか、ソファー全面に散らばっていた衣類を片側に山積みにしただけで、
「綺麗になったね！」
と、ニコニコ笑顔で言われてしまった日には、どうしたものかと思ったけど……
私のその他の仕事は、書類の整理だとか、その時頼まれた色々な雑事を行なっている。
「帰りました」
「あ、お帰り〜A」
机に向かってなにか作業をしていたハンジさんが、顔を上げてこちらを向く。
こうして、“お帰り”と言ってくれる上官が、ここにどれだけいるだろう？
すごく貴重だと思う。
これだから、この人は嫌いになれない。
周りには、忙しそうに立ち回るモブリットさん達。
私は、ハンジさんが向き合っている机の上の、カップやビーカーなどの実験器具を片付ける。
「お茶でも入れましょうか？」
「そうだね。お願いできるかな？」
そう言われて、研究室の奥にある、人1人が立てるほどのスペースのキッチンに行って、お湯を沸かす。
「あ、ところでA」
暫くして、そう言いながらハンジさんが顔を覗かせる。
「なんですか？」
「リヴァイとは会えた？」
「……」
はぁ！？
もしかして、あんたの仕業か！？
いや待て。
冷静になれ自分！
いくらハンジさんでもそれはないだろう。
「いや、リヴァイが昼から買い物に出るって聞いてたからね ───」
忘れようと努めていた、雑貨屋の店内で起こった兵長とのやりとりが、急に脳内にブワッと溢れた。
「─── もしかしたら、街中で会ってたりしないかな〜と思っただけなんだけど……」
私は一生懸命それを押し込める。
ハンジさんは私の態度を見て、何かしらあったと踏んだようで、
「ふ〜ん。……なるほどね」
そう言って、ニヤリと笑うと顔を引っ込める。
焦る私の後ろで、いつの間にか沸いたお湯が、グツグツと音を立てていた。
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ここね(プロフ) - 他の作品のようなキャラ崩壊はなく、馬鹿っぽいなと思わずに読めました！楽しめました！ (2020年5月7日 15時) (
レス) id: 43fbbe1d59 (このIDを非表示/違反報告)
Akauki - 一応ハンジさんは女。ピクシブに載ってるのは、性別不明。進撃の巨人の製作者？にピクシブ本社が聞いた所教えてくれなかったて一部の人達はﾘｳﾞｧｲの言っている様に、男でも女でもない奇行種的な〜っていう意味不な話をされました☆((長文失礼 (2020年5月5日 2時) (レス) id: 56e3f47545 (このIDを非表示/違反報告)
福子 - 私自身リヴァイ兵長がとっても好きなのですが、普通の小説だと現実味がないような設定が多く世界観に入り込みづらかったのです。しかしこのお話はモブという私でもありそうな設定で本当に自分のような感じで楽しく読まさせて頂きました！終わるのが寂しいです。 (2020年3月20日 11時) (レス) id: 96bb978fa2 (このIDを非表示/違反報告)
natsu natsu(プロフ) - 作者さんハンジの性別は女性ですよ〜 (2019年11月29日 22時) (レス) id: ba90988942 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - 凄くおもしろかったです。一気に読み進めてしまいました。続きを思い付きましたら、ぜひ、更新してください！楽しみにしています(*^^*) (2019年10月1日 19時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kokubyaku | 作成日時：2019年7月7日 0時
