♠️F.U：10-E・S ページ40
巨人との戦いを前に折角育った兵士が一人でも欠けるのは、私としても本意ではない。
外出の際にはその点に気を配ってほしい旨を、彼女の同室であるティアナに、班長であるミケからしっかりと伝わるように取り計らった。
*
ある日の団長室での事。
「あのクソメガネは、なんとかならねぇのか？」
いつものソファーに乱暴に座りながら、リヴァイは唐突にそう毒づいた。
「何がだ？」
「毎回毎回、書類の記入漏れだのサインのし忘れだの。ここまで来ると、嫌がらせとしか思えねぇんだが？」
その言葉に引っかかりを覚え、私は問うた。
「待て、リヴァイ。ハンジがそうしているのか？」
「だから、そうだと言ってるだろ」
リヴァイの所に書類を持って行くのは必ずAだ。
それは知っていた。
そして、彼女が忙しく立ち回っている事も。
ハンジが理由なくそんな事をするわけはない……
ということはまさか……
「……リヴァイ、少し聞きたい事があるのだが……Aの事をどう思っている？」
暫くの沈黙。
「なんでそこでAが出てきやがる」
いいから答えろと続けた。
「……こっちが話しかけるたびビクビクしやがるのは気にくわねぇが、仕事は真面目にこなすし、身のこなしもまあ、悪くねえ」
「……」
「……」
……ん？
「まさかそれで終わりか？」
「あ？」
「私が聞いているのは、兵士としてでなく、女性としての彼女の事だ」
「……意味が分からねぇ」
そう言って、暫く考えた後何かに気づいたリヴァイは、顔を上げ険しい顔で聞いてきた。
「……まさかエルヴィン、お前、二回り近く年が離れたガキに手を出すつもりじゃねぇだろうな？」
「……」
まさか、本人がここまで自分の気持ちに気づいていないとは……しかし、まぁ、始まったばかりの淡いものならそれもまだ、少しは納得できる。
リヴァイもその経験がないわけではないだろうが、分からなくさせている一番の原因は、さっきの発言でよく分かった。
彼女はリヴァイの中で『ガキ』だという事なのだろう。
それが、その想いにモヤをかけているのかもしれない。
私はきちんと否定した上で、適齢期まで節度は必要だが、年の差は関係ない事も告げる。
外野から見れば、多少なりとも好意があろう事は明らかに見て取れるが、ここで私が「そうではないのか？」などと余計な事を言っても、気付いていない現時点では真っ向から否定するだけだろう。
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ここね(プロフ) - 他の作品のようなキャラ崩壊はなく、馬鹿っぽいなと思わずに読めました！楽しめました！ (2020年5月7日 15時) (
レス) id: 43fbbe1d59 (このIDを非表示/違反報告)
Akauki - 一応ハンジさんは女。ピクシブに載ってるのは、性別不明。進撃の巨人の製作者？にピクシブ本社が聞いた所教えてくれなかったて一部の人達はﾘｳﾞｧｲの言っている様に、男でも女でもない奇行種的な〜っていう意味不な話をされました☆((長文失礼 (2020年5月5日 2時) (レス) id: 56e3f47545 (このIDを非表示/違反報告)
福子 - 私自身リヴァイ兵長がとっても好きなのですが、普通の小説だと現実味がないような設定が多く世界観に入り込みづらかったのです。しかしこのお話はモブという私でもありそうな設定で本当に自分のような感じで楽しく読まさせて頂きました！終わるのが寂しいです。 (2020年3月20日 11時) (レス) id: 96bb978fa2 (このIDを非表示/違反報告)
natsu natsu(プロフ) - 作者さんハンジの性別は女性ですよ〜 (2019年11月29日 22時) (レス) id: ba90988942 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - 凄くおもしろかったです。一気に読み進めてしまいました。続きを思い付きましたら、ぜひ、更新してください！楽しみにしています(*^^*) (2019年10月1日 19時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kokubyaku | 作成日時：2019年7月7日 0時
