🌙W.A.S：30 ページ37
「いや、ハンジが、君が面白い事をやっていると、わざわざ呼びに来てね」
「は！？」
こ、この人はまたいつの間に……
しかし、道理で静かだったわけだ。と納得する。
という事は、必死で缶を転がしている間2人にも見られていたのか？
でも、折角だからアイスはぜひとも食べてもらいたい。
そう思うと、さっさと容器にアイスをわけ、差し出した。
2人は暫くアイスを眺めていたが、やがて口に運ぶ。
「！？」
「……」
驚くその表情に、良しっと影で小さく拳を握った。
「これは……」
団長と兵長の視線が重なる。
そして頷くと、
「Aこれの作り方と、その権利を譲ってくれないか？」
団長に真剣な表情で言われ、
「そんな、権利もなにも、私が考えた物ではないですし、お教えします」
と答えた私に、
「知識はその人間の財産だ。そんなに簡単に手放しちまっていいのか？……今なら言えば大抵の事は通るだろ」
そう兵長は言った。
「もちろん、対価は支払うつもりだが……」
内容にもよると言いつつ、それに同意する団長。
その言葉に、じゃあ、と条件を付けた。
「そんな事でいいのか？」
と団長に言われたが、大きく頷く。
「では、交渉成立だな。Aありがとう」
青い目で見つめられ、微笑まれて心が温かくなると同時に、今なら自分の友人が団長推しなのがすごく分かるとも思った。
それから数日間、なかなか氷の溶けない実験室は封鎖され、アイス製造場となり大量のアイスがどこかへと運び出された。
噂では、その権利をどこぞの商会に売り、次回の壁外調査の資金にあてたとかなんとか……
私は、元は自分のために作ったのに、いつの間にか全て他の人にあげてしまい、喜んでもらえたのは素直に嬉しかったが、結局食べられなかったと、若干落ち込んでいた。
だけど、
「悪くはねぇが、俺は紅茶の方がいい。……ソレはお前が適当に片付けとけ」
そう言って兵長が、アイスをこちらに渡してきた。
私は、
その後こっそりと、
「一匙だけなら、匙さえ変えれば間接にはならない」
そう耳打ちされ、私の考えが団長に筒抜けだった事が恥ずかしくて、慌ててアイスを食べた。
なので、その時のアイスの味も分からず、
私のすぐ横でそれを見て、
「あ」
と言った団長にも気付けなかったのだった。
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ここね(プロフ) - 他の作品のようなキャラ崩壊はなく、馬鹿っぽいなと思わずに読めました！楽しめました！ (2020年5月7日 15時) (
レス) id: 43fbbe1d59 (このIDを非表示/違反報告)
Akauki - 一応ハンジさんは女。ピクシブに載ってるのは、性別不明。進撃の巨人の製作者？にピクシブ本社が聞いた所教えてくれなかったて一部の人達はﾘｳﾞｧｲの言っている様に、男でも女でもない奇行種的な〜っていう意味不な話をされました☆((長文失礼 (2020年5月5日 2時) (レス) id: 56e3f47545 (このIDを非表示/違反報告)
福子 - 私自身リヴァイ兵長がとっても好きなのですが、普通の小説だと現実味がないような設定が多く世界観に入り込みづらかったのです。しかしこのお話はモブという私でもありそうな設定で本当に自分のような感じで楽しく読まさせて頂きました！終わるのが寂しいです。 (2020年3月20日 11時) (レス) id: 96bb978fa2 (このIDを非表示/違反報告)
natsu natsu(プロフ) - 作者さんハンジの性別は女性ですよ〜 (2019年11月29日 22時) (レス) id: ba90988942 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - 凄くおもしろかったです。一気に読み進めてしまいました。続きを思い付きましたら、ぜひ、更新してください！楽しみにしています(*^^*) (2019年10月1日 19時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kokubyaku | 作成日時：2019年7月7日 0時
