🌕EP.141 ページ3
私は2人の会話に不満を感じながらも、アーチャーに渡された布で、ささっと水気を拭き取ると、この濡れネズミの様な状態を早く何とかする為、端末を取り出し操作して学生服へと着替えた。
しかし、やっぱりモヤモヤする。
───そもそも次ってなんだ、次って。
あの少女に引っ張り込まれなければ、私だって何にも無い所で川に頭から突っ込むなんて、そんな間抜けな事はしない。
2人は私の事を一体なんだと思ってるのか?
暫くそんな事をグルグルと考えていたが、突然、これは考えてもムダだなと悟り、頭を切り替えた。
すると今度は別の事が気になり始める。
頭の中って本当に忙しい。
さっきのあの少女は何だったのだろうか?
目的もなにもわからない。
でも確かに見覚えはあるのだけど・・・
思い出す為にもう一度そこに近付きたかったが、アーチャーに止められ、兵長に行くぞと続けられたので、結局確認する事は出来なかった。
そして再び馬に乗り、礼拝堂近くへとたどり着いた頃には、夕方になっていた。
礼拝堂の地下洞窟から約1キロくらい離れた所で私たちは馬を止める。
私は、端末を取り出し、眼鏡を装備すると周辺を確認する。
・・・・あれ?
「どうした?」
空間に現れた地図には、敵を表す赤い点が1つもない。
兵長、敵がいません
「あ?・・・どういう事だ」
との兵長の問いに、
アーチャー
と声をかける。
すぐさま霊体化し、様子を見に行ったアーチャーだったが、
「辺りを探ったが、此方も同様だ。見える範囲に人影はない」
姿を現しながらそう答えた。
「勝手に居なくなったって事か?」
わかりません・・・
私のその言葉に、アーチャーがこちらを向き言った。
「マスター。確か分隊長にもらった手紙があっただろう?」
あ、そういえば・・・
アーチャーのおかげで思い出した。
兵長、そう言えばハンジさんから目的地に着いてから読むようにと渡されていた手紙がありました
私がそう言うと、兵長は眉間に皺を寄せながら、読んでみろと言った。
*
親愛なるリヴァイ。
君がなかなか休まないものだから、エルヴィンと一緒に一芝居打たせてもらったよ。
たまにはのんびりするといい。
いやいや、そんな感謝の言葉なんて要らないよ。
当たり前の事をしたまでさ。
あー、でもついでなので鉱石は持てるだけ持って帰ってきてね。
なんせ、その鉱石はエネルギーを消費しない光源みたいだから、採掘を検討中なんだ。
頼んだよ。よろしくねー!
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作者名:kokubyaku | 作成日時:2019年9月18日 19時