乾いた地より見る月はVol.4【進撃の巨人×Fate/EXTRA】 (ページ6)

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🌕EP.107 ページ6

「……だろうな、君の性格ではそれは無理な話だ」

　アーチャーは、前を向いたまま言葉を続ける。

「だがマスター。後がないぞ、それは分かっているな？」

　先の戦いで、令呪を一画消費してしまった事を言っているのだろう。

　分かってる

　そう返す。

　残りは一画。

　これを使い切れば、どちらにしろ私もアーチャーもゲームオーバー。

　サーヴァントとマスターは一連托生(いちれんたくしょう)。

　どちらかが消滅すれば、もう片方も留まっていられない。

　自分が勝ち抜いた後の、相手のマスターの惨状を思い出す。

「……そうか。正直それについては、苦言を呈したい所だが……まあ、君の底抜けのお人好しは、今に始まった事でなし……」

　目だけをこちらに向ける、アーチャーからの視線が痛い。

　ご、ごめん

「君が謝って令呪が返ってくるなら、何度でもそうしてもらうのだがね」

　生憎(あいにく)とそうはならない。とばかりに鼻で笑う。

　くっ、……人が、少し反省して見せればこれだ。

　だけど、彼が言っている事は事実、そうであるから言い返せない。

「しかし、まあ。こちらも君の事ばかりを責めてはいられないな……魔力を感じられなかったので、こちらに攻撃は通るまいと高をくくっていたのだが……憶測が甘かったようだ」

　通常、サーヴァント同士の戦いは、魔力の消耗戦だ。

　魔力を帯びた攻撃、もしくは礼装武器でもなければ、例え実体化していても、人間とは区分の違う英霊であるサーヴァントに、ダメージは与えられない。

　しかし、どうやらアニが変身した女型の巨人は違ったようだ。

　そして、やはりあのとき、アーチャーはダメージを受けていて、本人曰く、それがまだ響いているらしいのだ。

　見た感じ、そんな風には見えないのだけど、アーチャー自身が言うのだから間違いないのだろう。

　回復をかけようと、端末を操作しようとするが、アーチャーはそれを制止する。

　その行動に少しの違和感があったが、大丈夫だと言うアーチャーの言葉を信じることにした。

「これが巨人全般に言える事なのか、それとも女型のように知性のある巨人に限られているのか……そこの所も分からないが。……そして通常なら効かないはずの物理攻撃がなぜ通るのか……」

　アーチャーが話す間にも、周囲の風景は建物溢れる街中から、木々が生い茂る森林へと変わっていく。

　木々を飛び移りながらアーチャーは続けた。