乾いた地より見る月はVol.4【進撃の巨人×Fate/EXTRA】 (ページ25)

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🌕EP.126 ページ25

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　── ガン！

　と勢いよく兵長が扉を蹴破る。

　同時に、ガス管を括り付けた樽を階段の下に向けて何個も転がす。

　兵長とミカサが素早く飛び出すと、サシャは転がった樽へと次々と火矢を放つ。

　私は眼鏡の赤い点を数え終えると声を上げた。

　敵数35！！

　サシャの放った矢により樽が爆発し、一気に飛散した袋の中の油から油へと、炎が芋づる式に燃え移る。

　そこから立ち上る煙の中を、兵長とミカサが立体機動で躊躇(ためら)いもなく高速で飛んでいく。

　２人が煙から抜け出た所で、私を含めた後方の5人が畳み掛ける様にして信煙弾を放ち、兵長とミカサを援護する。

　眼鏡でのカウントに加え、兵長がすごい勢いで飛び回り、数と位置を確認していく。

　── 敵数、誤差なし！主に天井あたりに固まっている！作戦続行！すべての敵をここで叩け！！

　力強い兵長の号令が響いた。

　それを合図に、皆が一斉に動き出す。

　アーチャーは私を抱え、乱立する光る柱を足場にしながら、その間を縫うようにしなやかに飛び進む。

　私は眼鏡を使って、離れている敵を見つけ、空気撃ちを打ち込む。

　光が当たるその瞬間、アーチャーが投影した莫耶を敵の立体機動装置に向かって放ち、無効化させる。

　そして、敵は立ち込める厚い煙の下へと瞬く間に落ちていった。

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　── 礼拝堂突入、数十分前。

　皆を呼びに行き、気絶している憲兵を馬車に乗せると、兵長とアーチャーと共に馬車の荷台に乗る。

　馬車が動き出すと、私はさっき決めたことを兵長に伝えた。

「……A、それは、今がどういう状況か分かった上で言ってるんだろうな？」

　兵長の鋭い目が私を射抜く。

　はい。私は私のやり方で戦います。その許可を下さい

「……確かに、こいつはもう随分と長く気絶してやがる。お前のその太刀なら殺さず無力化ができるのかもしれねぇ。……だが、それはこいつに限らず他の人間に対しても同じなのか？」

　巨人の時がそうでした。多少前後はしますが、どの巨人もほぼ1分。なので、人間も同じだと思います

　私はしっかりと兵長の目を見て答える。

　兵長は私の真意を確かめるように見据えた後、

「思う、じゃねえ。やるなら確実にやれ。無力化したと思った敵に背後から狙われるのはゴメンだ」

と口にした。

「──トレース」

　それまで荷台の、作戦決行用の樽の上に座り、憲兵をじっと見ていたアーチャーが声を上げた。