🌕EP.125 ページ24
民家を出発して、暫く馬を走らせていると、眼鏡に反応があった。
眼鏡を通して空間に地図と赤い点が現れる。
前方に、建物らしい形が表示され、周囲には赤い点が3つ。
本当に対人仕様になっているのなら、この赤い点は人間の敵を指しているはずだ。
兵長、待ってください。眼鏡に反応があります。
約1km先に数は3つです
「……3人って事か。……一旦、止まれ。確かめる。A、ついて来い」
私達は皆から離れ、その場所へと向かう。
目的地の手前で馬から降りると、
「ここから詳しい位置が分かるか？」
そう兵長に聞かれ、
建物の右端に1人、左端に2人です
眼鏡からの情報を報告して、暗闇の中を木々に隠れながら目的の建物へと徐々に近づいていく。
すると松明の光の中に、新型立体機動装置をつけた3人の姿が見えた。
「……A……お前、太刀を人間に使った事はあるか？」
その言葉に、不思議に思いつつ、ないです。と答える。
「なら、試してみろ。うまくいけば1人は捕縛できる」
兵長のその言葉に従い、私は空気撃ちを装備する。
「同時にやる。お前は右端。俺は残りだ」
私は頷き、
「……３・２・１」
兵長の合図で木の影から同時に飛び出した。
憲兵の銃口がこちらに向くよりも早く、空気撃ちを叩き込む。
すると相手は痺れるでもなく、その場に崩れ落ちた。
兵長の方を見ると、既に残りを倒していて、私が空気撃ちを打ちこんだ憲兵の方へと近づいて行く。
「……白目むいて気絶してやがる。暫く起きそうもねぇな……こいつから情報を引き出す事は不可能か……」
チッと舌打ちをしてそう呟き、布で猿轡を噛ませると後ろ手に縛りあげた。
「お前はハンジ達を呼んで来い。こいつは馬車に積んで行く。……万が一、礼拝堂が外れだった時に使える」
私は頷くと、皆を呼びに走る。
止めていた馬の所まで戻ると、
アーチャー。この戦いに本当に巨人が関わってるなら、いつでも戦えるように準備しておいて欲しい。そして、気絶させる事ができるなら、私はブレードでなく、空気撃ちを使おうと思う。そうなると、立体機動が使えなくなるから、サポートをお願い
と、話す。
『相手は君を殺しにかかってくるというのに……全く、良くも悪くも君らしいよ』
そう呆れながらも、アーチャーは私の考えに同意してくれた。
その言葉に私は大きく頷くと、馬に跨り、兵長の馬を引きながら皆の待つ場所へと急いだ。
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作者名：kokubyaku | 作成日時：2019年8月6日 23時
