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夏川side
うちの高校––––私立岡原高等学校のテストは、原則10教科。
1教科あたり100点満点で、総合得点は最高1000点。
「俺、一ノ瀬の古文の点数見たんだけどさ、」
「言うな、やめてくれ!頼む!!」
佐々木は俺の口を手で塞いだ。見当はついてるんだろう。
………ちなみに周りの女子(一部)が発狂していますが一体どうしたんでしょうか(問題提起)
「……………あいつの古文、62点だったんだよな」
「どうせ古文以外は100点っつーんだろ!?」
うがぁぁぁぁぁ!!と頭を抱えて崩れ落ちる佐々木。
声が廊下に反響して更にうるさくなる。
「あ、俺一位じゃん」
「うるせぇよ嫌味はやめてはっきり馬鹿にしろよ!!」
順位表の下の方を見る一ノ瀬。
そこに佐々木の名前を見つけると、伏せがちだった一ノ瀬の目が少し開かれた。
「……佐々木って最下位なんだね、今気づいた」
「今かよ」
「え、待って。俺自爆したってことだよな?」
「うん」
今度こそ膝から崩れ落ちる佐々木。ふらふらとクラスへ入って行く。
一ノ瀬は苦笑いをした。それも様になっていてかっこいい。
…………今ので周りの数人は墜ちただろ。すぐに無表情に戻っちゃったけどな。
「ところで夏川は何位なの?悪くはなさそうだけど」
「14位だな。片岡は………、17位か。危ねー……」
「上位20位以内、めちゃくちゃ競ってるね。危なかった」
2位は950点も行っていない。これのどこが危ないのか知りたいですね。
「一ノ瀬は成績いいから、大学とか選び放題だろ」
「選び放題はないでしょ……、T大とか」
「俺にとっちゃ死亡案件だな」
「俺も無理だね」
「嘘つけ」
廊下を歩いて、大学のパンフレットが置いてあるコーナーへ行った。
ここの高校が進学校だからか、どんな一般人でも一回は聞いたことのある大学名がいくつも並んでいる。
「俺の志望校があるんだけど」
「俺もあるんだよな。今度オープンキャンパスがあるみたいでさ」
「俺のところもあるんだよね」
「次の日曜日に、」
「うん」
「そこの大学の、理工学部のキャンパスでやるんだけどさ、」
「うん」
流れる沈黙。
「ねぇ、夏川ってどこの大学志望してるの?」
「……K大の理工学部だけど」
「………俺も」
偶然すぎて逆に笑えてきたんだが。
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ろぐ(プロフ) - 大手裏剣さん» ありがとうございますっ……部活が思いの外忙しくてなかなか更新できていませんが完結させる予定なので、応援して頂けると嬉しいです(´∀`) (2020年7月30日 23時) (レス) id: 094eb64ef2 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - わ〜とても雰囲気が好みです…。執筆頑張って下さい…! (2020年7月30日 12時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろぐ | 作成日時:2020年7月18日 23時