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夏川side
来ちゃったよ、オープンキャンパス。一ノ瀬と一緒に。
志望の大学が同じだとわかった瞬間、俺らは一緒に行く約束を取り付けた。ぼっち参戦はキツいしな。
………それに周りがリア充だらけだったら(いや9割9分そうなんだろーけど)気不味いし。
「うわ、9割9分どころの問題じゃねーな………」
「何なのこれ。9割9分9厘だね」
「99.9%とか俺ら自滅しに来てんのかね??」
ご察しの通り、俺らの周りにはリア充がたくさんいる。
右を向いても左を向いてもリア充。何なんお前ら揃いも揃って同じ頭脳してんのな!!
仲良しかよ!!!!(僻み)
「そーいや、今日は片岡いねぇな」
「うん。夕梨もどこかの大学でオープンキャンパスあるって」
「大学は違うんだな。女子大?」
「正解。告白されない生活を送りたいって言ってたんだ。
………………告白されたことすらない俺に対しての嫌味かな?」
「ブフっ」
それは片岡が牽制してっからだよ、とは言わないけれども。
ここまで無想無念極めてるとは誰も思わねーよな………女子も残念なこっちゃ。
女子たちの気苦労をつゆとも知らず、一ノ瀬は呑気に欠伸をしている。
「眠いなぁ、朝あんなに叩き起こしてくれなくてもよかったんじゃない?」
「お前が朝起きれないかもっつったからだろ」
寝坊を未然に防止するため、俺は一ノ瀬に住所を聞いた。
多少強引だったかもしんねーけど、予約した体験授業があったんだから仕方ない。
「だからゆっくり揺らす必要はなかったでしょ、びっくりした……」
「一ノ瀬の寝顔がレアだったから、とか?」
今朝一ノ瀬の部屋に入ったとき、ヤツの平和な寝顔に驚愕した。
いつものさらさらな黒髪は少しだけ跳ねていて、基本的に表情を映さない目は閉じられている。
……けれど、起こしたときは焦りはっきりと浮かんだ。
一ノ瀬の表情って気をつけて見てるとすげー変わるから、新しいポケ◯ン捕まえてる気分だわ、マジ。
「あ、そろそろ体験授業始まるみたいだぜ」
「はいはい、曲がってすぐそこの棟だよね」
一ノ瀬はフッと笑った。これも新しいカオ。
「ん、どうしたの夏川」
「一ノ瀬って最近笑うよなーってさ」
「………俺今笑ったっけ」
そんな風に無自覚で笑えるんじゃ、いくら片岡が牽制していようがモテるわな。告られねーけど。
なんか変な感じだわ。
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ろぐ(プロフ) - 大手裏剣さん» ありがとうございますっ……部活が思いの外忙しくてなかなか更新できていませんが完結させる予定なので、応援して頂けると嬉しいです(´∀`) (2020年7月30日 23時) (レス) id: 094eb64ef2 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - わ〜とても雰囲気が好みです…。執筆頑張って下さい…! (2020年7月30日 12時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろぐ | 作成日時:2020年7月18日 23時