観察。 ページ6
あぁ、そうそう
人の気持ちを察するのは、苦手なんだけど1つ私にも確かにわかる事がある。
「ね、最近若武くんとどうなの??」
側でまた考え事をする様に、下を向いた小塚くんに気づかれない様、そっとアーヤに話しかけた。
「えぇッ!?別に何もないよ〜!!」
ほんのり頬を赤らめ、手を大きく突き出し振るアーヤ。なんと言うか、物凄く可愛い。
「本トにー?」
「本トに!」
恋をすると、女の子は可愛くなるって言うけど、本当にそう。元々アーヤは可愛い顔立ちをしているけど、最近ますます可愛いくなった気がする。
この会話の流れで、わかる通りアーヤは若武くんといい感じなんだ。それに私が気づいたのは最近なんだけど、ちょっぴり嬉しかったな。
数少ない友達の恋だ。
ちゃんと応援してあげたい。
っていってもアーヤに自覚はないみたいだけど…。
「アッ、そうだそうだ!!学校の理科でね、分からない事があったからAに聞こうと思ってたんだ〜。」
分かりやすく、話を逸らすアーヤ。
私は、そんなアーヤがちょっと可笑しくて笑っちゃいそうになったけど、我慢して普段通りを装った。
「どこー??いいよー。」
恋って不思議。
人を変えちゃうの。
毎日観察して、日に日に大きくなる。
やっぱり、理科に似てる。
不安定で、酸っぱかったり甘かったり。
色んな出来事と絡んで、化学反応を示す。
“恋とは何か”
結果を出すには、まだまだ時間がかかりそうだ。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ろぜ&月読命 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/arutemisu/
作成日時:2017年12月11日 23時