君と見た世界 (ページ38)

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北「はいはい、止まって」

「北斗？なにしてんの？」

北「見ての通り風紀の仕事だけど」

朝登校してきたら、校門のとこで北斗に止められました。珍しく部活が休みで一緒に来てた勝利も、ジェシーくんに止められていた。

「仕事………ちゃんとしてたんだ」

北「おい！」

「ごめんごめん。それで？」

北「服装チェックだよ。ネクタイ曲がりすぎ。生徒会の証が泣くぞ」

「あー･･･結ぶの苦手なの」

北「仕方ねぇな。今は俺が直してあげる。後で簡単な結び方教えるから覚えて」

「北斗やっさしー」

北「仕事だからな」

「一気に現実に戻されたわ」

北「ほら、直すからこっち来て」

手招きされて北斗の方に近寄る。綺麗な顔が近づいてきて、不格好に結ばれたネクタイを外す。改めて結び直してくれてるんだけど、距離近いし抱きしめられてるみたいなポーズで恥ずかしい…。

北「はい、終わったよ」

「ありがと。じゃ、仕事頑張れー」

北「おう」

関門をくぐり抜けて下駄箱にたどり着いたら、さっさと通り抜けたらしい勝利が待っててくれた。

勝「チェック引っかかったの？」

「うん。ネクタイ曲がってたって」

勝「あー、上達しないもんな」

「難しいんだって」

勝「今までどうしてたのさ？」

「女子の制服は基本リボンですよ？」

勝「あ」

「まあここにいると忘れがちだよね」

ここでリボン着けてるのなんて0.5割にも満たないんだから。

勝「前の学校もブレザー？」

「え？ううん。私服」

勝「私服！？珍しいね」

「地方だから」

勝「そーゆーもんなんだ。中学は？」

「セーラーだよ」

勝「じゃあ、スカーフ結んでたんじゃないの？」

「僕んとこは、こうぐるっとして留め具で留めるだけだったの」

勝「なるほどね」

てか、そもそもスカーフとネクタイじゃ結び方違くないか？と気づいたのはその後しばらくしてからだった。