alone 《君だけをもっと求めて…》 (ページ6)

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５分くらいするとインターホンが鳴った。

玄関に向かうと勝手にドアが開いた。

あ「あれ…!?」

藤「鍵…あけっぱだったの？」

あぁ…さっき宏光が帰ってから

鍵かけるの忘れてた。

あ「…鍵かけるの忘れてた」

藤「あぶねぇから気をつけろよ？」

あ「うん!!」

優しく微笑む太輔。

あたしはこんな太輔を裏切ってる。そう思うたび泣きそうになる。

でも

いざとなったら宏光に抵抗できないあたし…

あ「寒かったでしょ？あがって？」

藤「うん。お邪魔しまぁす」

-リビング-

あ「座ってて」

藤「うん」

あたしはお酒をとりに冷蔵庫へ向かった。

あ「太輔呑んでる？」

藤「まだ呑んでない。仕事終わってそのまま来たから」

あ「そっか」

アルコール度数の高いお酒を机に並べた。

藤「ありがと」

あ「うん」

沈黙が続いた。

最初に沈黙を破ったのは太輔だった。

藤「今日なんかあった？」

あ「どうして？」

藤「今日…色っぽいから」

あ「あ…ありがと(照)」

藤「なに照れてんの？(笑)」

可笑しそうに無邪気に笑う太輔。

あ「太輔はいつも色気ムンムンだよね」

藤「どぉも。…キスしてい？」

あ「えっあっ…いいよ？」

優しく触れる唇。

いつもの太輔のキスじゃない。

落ち着いたキス。

キスを終えると太輔はあたしに背を向けた。

藤「嫌なら嫌っつって？」

あ「えっ!?」

藤「Aちょっと拒んでた」

あ「そんな事ないよっっ!!」

藤「じゃあ…」

太輔はあたしの耳元まで近寄ってきて

藤「抱かせろよ…」

と低い声で言ってきた。

でもすぐにニコッと笑って…

藤「嘘。そんな困った顔すんなって!!」

悲しそうな笑顔を浮かべて太輔はまた背を向けた。

あたしは太輔に後ろから抱きついた。

あ「いいよ」

藤「…」

あ「…太輔…抱いてよ」