【短編中編】全員、君依存症【閲覧注意】 (ページ2)

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リゾット・ネエロ　優しい檻② ページ2

暗殺の任務を終えて、帰還しようとしたところ･･･女を拾った。

やせ細っていて、虚ろな目をしていた･････目的も目標もなく･････「ただ生きている」だけの女だ。

俺を見て恐怖するわけでもなく、悲鳴をあげるわけでもなく･････ただ静かに頭を地面につけて「楽に殺してほしい」と懇願してきた。

暗殺のターゲットのリストにある人物は全員殺した。つまり、この女は暗殺の対象ではない。そしてその姿を見る限り･･････今までロクな扱いをこの家で受けてこなかったのだろうと思った。

ただの････ほんの少しの気まぐれで、俺はこの女を連れ帰ってみることにした。

チームのアジトとは別の、普段俺が一人で暮らしている家に女を連れてきた。

抱えていた軽すぎる身体をベッドの上に降ろすと、女はきょとんとした顔で俺を見た。

『･････私は･････一体なにをされるのでしょうか』

「･････服も身体も埃で汚れているな。シャワーでも浴びてこい。」

俺の言葉に女は頷いて、シャワーを浴びて出てきた。埃まみれだった身体でベッドに座らせたせいで、女が座っていたベッドシーツの部分が黒く汚れていた。

一体どれほどの････酷い生活をあの家で受けてきたんだろうか。

暫く椅子に座って･･･女がシャワーから出てくるのを待っていると、････シャワーを浴び終えた女が出てきた。

『あの･･･タオル･･･お借りしても大丈夫ですか？』

「ああ、好きにしろ。」

そう返事をすると、身体にバスタオルを巻いた女が恥ずかしそうに俺の前に出てきた。

その姿に、思わず生唾を飲み込んだ。

初め顔を見た時は、ホコリとススで汚れていて顔も黒ずんでいてよく見えなかったが････子犬のような大きな目に、整った顔立ちをしている女･･････いや･･･少女が居た。

「･･････お前、名前はなんだ？」

『･･････Aです』

「･････そうか。A、今日からお前はここで俺と暮らすんだ。わかったな？」

『わかりました』

俺の言葉に目を伏せて、素直に頷いたAの手を掴んだ。その手はやせ細っていて、骨ばっていた。

「この部屋からお前が出て行こうとしない限りは、好きにしていい。何か必要なモノがあれば言え。」

『えっと･･･はい････わ、わかりました』

俺の言葉にAは戸惑いながらも、もう1度頷いた。