さいご の ひとつ ページ12
「ってことがあってさー、無事付き合うことになりましたー!」
「おめでとーございますー滅べリア充」
朝、登校してきた友人に昨日の放課後のことを報告した。
「でもさ、A伊之助くんのことが好きだって自覚したんだね」
「え!?バレてたんか!うん、最初は母性からの愛だと思ってたんだけど、肩掴まれて顔面ドアップのときに、あかん、好きだ…ってなった」
「あの顔ドアップは落ちるな」
「うん。落ちる」
友人と顔を見合わせて真顔で頷く。
「ハッ私初日にどんぐりイノシシからの愛の贈り物かもって言ってたじゃん!当たってない?」
突然、友人が言った。
意味がよく理解出来ず、どゆこと?と説明を促す。
「だってさ、嘴平くんイノシシに育てられてたんでしょ?んで、よく」
「ウォオオ猪突猛進猪突猛進!!」
「って叫んでるじゃん。ほら、」
外で雄叫びを上げながら叫んでる伊之助くんを指さして言う友人。
「大分雑だけどなるほどね…で、愛のプレゼントってのは?」
「それがね、どんぐりの花言葉のひとつがさ」
木の実言葉じゃなくて花言葉なんだ。
「『永遠の愛』なんだって!」
へー、ロマンチック。
でも、
「伊之助くん絶対そんなの考えてないよね」
「まあ、ね」
互いに苦笑いを浮かべていると、ふと窓の外から、
「A!ほら!!ツヤツヤのどんぐりだ!!やる!」
と、目をキラキラさせてどんぐりをつまんだ手を突き出してくる伊之助くん。
かわいいね、赤ちゃんかな?
「伊之助くん、へへ、ありがと」
笑ってお礼を言うと、伊之助くんはまたどこかへと走り去ってしまった。
「ふつーに喋れるようになったんだね」
二人で見送りつつそう言う友人。
「んーなんか番になった途端平気になったっぽい…よくわからんけど」
「なんじゃそりゃ」
ほんとにね、なんじゃそりゃだよね。
「あ、でもたまに照れ隠しで殴ってくるよ!そこもかわいい…」
「急に惚気けるのやめてくださーい」
冷ややかな目を向ける友人に、ゴメンと笑いながら謝る。
一体どこから見つけてくるのか、綺麗でツヤツヤのどんぐりを、制服のポケットにしまった。
fin
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ろろも(プロフ) - ウリョーさん» ありがとうございます!嬉しいです!頑張ります!! (2019年8月23日 23時) (レス) id: e53fbd5c96 (このIDを非表示/違反報告)
ウリョー(プロフ) - 凄く好きです、応援してます! (2019年8月23日 20時) (レス) id: 9c24eacb74 (このIDを非表示/違反報告)
ろろも(プロフ) - マヤさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月23日 0時) (レス) id: e53fbd5c96 (このIDを非表示/違反報告)
マヤ - 楽しみにしています!これからも頑張ってください!! (2019年8月21日 14時) (レス) id: 2037e6e45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろろも | 作成日時:2019年8月21日 10時