どんぐりオンザデスク【嘴平伊之助】 (ページ2)

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朝、教室に着いて、だるいなーねむいなーとか思いながら後ろの扉を開けて、自分の席へと向かう。

机の上にカバンを置こうとして、そこで初めて気づいた。

「何コレ…」

私の机の上に、どんぐりが一つ。

行き場を無くし、空中に留まったままのカバンを、ひとまず椅子の上に置いて、それを拾い上げてみる。

ツヤツヤしてて、綺麗などんぐりだ。

うん、どっからどう見てもどんぐり。

…なんで？？

え、なんでどんぐり？

窓から落ちてきたとか？

いや、私の席教室のど真ん中だし、どんぐりを落とすような木は窓の近くにはない。

だとすると、新手のいじめか？

アレなの？
どんぐりの木の実言葉の意味が「お前を呪う」だったりするの？？

………さすがに無いか。

木の実言葉でいじめとか遠回しすぎる。

「A！おはよー！どしたの？」

まじまじとどんぐりを見つめていると、友人が話しかけてきた。

「なんか、机の上にどんぐりあった」

「は？なんで？」

「知らない、なんで？」

「いや私も知らないし…あ！イノシシからの愛の贈り物だったりして」

真面目な顔してそう言う友人に、アホか、と返して、とりあえずポケットに突っ込んでおいた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「今日もある…！」

はじめてどんぐりが置かれてから、一週間がたった。

その間、毎日欠かさずそれはあった。

冗談抜きにイノシシからのプレゼント？

それともどんぐりの精霊の仕業…？？

…ハッ！！！

「ト〇ロかもしれない…！」

「……そんなわけないよな」

一人でボケて、一人で突っ込む。

正直少し虚しい。

まあでも、一週間もどんぐりを置かれつづけたら、さすがに犯人が気になってきた。

よし。

トト〇探しといきますか！(違う)

ちょうど明日は日直だし、いつもより早めに行って張り込んでみよう。