転生したら異世界だった件【転スラ】 (ページ6)

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4話名付けページ6

『おい、返事をしろ。この我の問いに答えぬというのか？』

竜こと、暴風竜ヴェルドラが厳しい目つきでこちらを見る。
いけない、いけない。つい本物の竜を見て感動してしまっていた。怒らせる前に早く答えないと。

「あ、すみません。初めて貴方様を見て驚きと感動で固まっていました。僕は貴方様を一目見ようと来た次第です。迷惑みたいなのですぐに帰りますね。」

丁寧に、かつ怒らせないように敬いながら返事をする。
すると何故かしょんぼりとした雰囲気を醸し出した。
あれ、どうしたんだろう？

『もう行ってしまうのか？』

「は、はい。もう十分に満足出来たのでーー」

『わ、我はまだ満足しておらん。もう少しここにおれ！貴様、名は何という？」

邪竜様は寂しがり屋なのだろうか……。
200年も封印されては暇で仕方がないのはわかるけれど、何というか…………。

「僕の名前ですか？今の姿での名前は無いです。」

『よかろう、ではお前に名を付けてやる。』

僕は今世では名前を付けて貰えてない。魔物に名を付けるという行為は、自分のエネルギーをかなりの量を奪われてしまうらしい。それにより最悪死んでしまうかもしれない。また、相手に名付けられる事を良しと思わないと、名付けられてもそれは自分の名前にはならないのだ。
僕は生まれ変わってからこれまで名前が無かったことで不便をそこまで感じていなかったが、よくよく考えてみればそれは感覚が可笑しくなっていただけであり、昔を思い返してみると名前が無いと困る事は多々あるという事を思い出した。

「いいのですか？」

本人は名付ける気満々でいるようだが、念の為に尋ねておく。

『良いのだ。よし、お主の名はケンだ。』

ケン、それが今世での僕の名前。
名前が魂と刻まれる感覚を感じる。
これが名を付けられるという事なのか。以前とは比べようの無いぐらいの力が漲ってくる。

《ケンが『戦霊鬼』に進化しました。想像者が進化して究極能力『創造之王』を獲得………成功しました。》

死に際やスキルを獲得する度に聞こえた不思議な声……世界の声は、僕が進化した事、新たなスキルを獲得した事を告げる。
創造之王……か、どんな能力なんだろう。

『ほう、お主後もう少しで真なる魔王に覚醒出来るようだな。これも我のおかげというものだな。くわーっはっはっはー』

何故か知らないけど、邪竜様が大喜びしている。
まあ、僕も嬉しいから礼を言わないと。

「ヴェルドラ様、有難うございます！！！」