転生したら異世界だった件【転スラ】 (ページ22)

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20話その後ページ22

あれから数日が経った。
僕が消しとばしてしまった森は『想像之王』で元に戻した。
今の所何も起きておらず、とても平穏な日々を過ごしている。
今日も朝からレイラは蒼熾をしごいていて、外から爆音が聞こえてくるが。
僕はスキルで前世で読んでいた本を創り、それを読んでいた。
あの日ギィが去り際に行った言葉を思い出す。
スキル習得……か。
異世界から人間を召喚する魔法は存在する。しかし、逆に違う異世界に召喚された、迷い込んだという話しは今の所聞いた事がない。
考え事を始めた事により本に集中出来なくなったので、パタンと本を閉じて机の上に置き立ち上がる。
僕も混ざって教えてもらおう。
一度伸びをして部屋から出る。
レイラは原初の悪魔というだけあって戦闘も魔法もピカイチだった。そしてその剣の腕はギィと肩を並べるほどで、技術を高めるのにとても良い修行相手だった。
戦闘中は少し怖くなるけど。
僕は空間から刀を出して家から出る。

ドコォっ‼

けたたましい音を上げながら蒼熾が飛んできて、木に打ち付けられていた。
服はボロボロになって至る所に傷を負っている。
蒼熾は腕を抑えながら立ち上がるとレイラを見て慌て始める。
レイラに目を向けると手を挙げて魔法を発動しようとしていた。

「っ⁉レイラ姉さん、た、たんま！それやったら僕死にますよ⁉」

レイラは核撃魔法を放とうとする寸前で止まっている。

「面白くありませんわね。あらケン様、御機嫌よう。次はケン様がお相手なさってくれるのです？」

「あはは。今日もお願いします。」

「はい、ケン様のお願いですからね。次はあの赤なんて一発でぶちのめせるようにならないと、ですわね。」

魔法を取り消すと此方を見てニッコリと微笑んだ。
……笑顔が怖い。
僕は笑顔を貼り付けて誤魔化す。
抜刀すると先制を仕掛ける。

「先日より動きが格段に良くなりましたわね。ですが、まだ甘い。」

素早い剣技が襲う。
その剣術は先日対峙したギィのそれとはまた違った華麗で無駄のない洗練された動きをしている。
剣術だけでも危ないのに、それに加えて止めどなく魔法も次々と迫り来る。
剣には剣を魔法には魔法で相殺するも、少し判断を間違うだけで一瞬で吹き飛ばされる。

それから数時間、見た目は変わらないが服はボロボロになってやつれている僕と、倒れ伏している蒼熾、それを見て楽しげに笑うレイラがそこにいた。
どうやら僕はとんでもない人を呼び出したという事を常々思うのであった。