転生したら異世界だった件【転スラ】 (ページ14)

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12話奇襲ページ14

その日、蒼熾にスキルの上達を兼ねて人間に化けてお使いをしてくるように頼んでいた。
僕自身は森の中で釣りをしていた。
『文学者』で最適な形の釣竿とを考え、それを『想像乃王』で創りあげる。
出来上がったらそこら辺にいる虫を捕まえて釣竿の先につけて開始する。
3時間ぐらいぼーとしながらやっていたのだが、意外と大量だ。
前世では本を読んでばかりでこういったことはからきしだったが、存外楽しい物である。

「蒼熾、遅いなぁ。」

森から出てすぐの町での買い物を頼んだのだが、中々帰ってこない。
『魔力感知』で広範囲を調べ上げる。遠くで蒼熾の魔素が少なくなって、その周りをかなりの数の人間が取り囲んでいた。
それを見た瞬間僕はその場から勢いよく『飛翔』すると、『神速行動』を同時発動させながら光速よりも速く飛ぶ。
二つの能力を駆使したおかげですぐに現場に到着することができた。

「蒼熾っ！貴方方は何故こんな事を！」

蒼熾に駆け寄ると彼を治療する。
大怪我を負っており、虫の息になっていた。
もっと早く気づいていれば……！！
周りの騎士団らしき団体の数を数えると、数千人以上いた。

「まだ弱い妖狐を討伐しようとして何が悪い？将来的に此方に害を及ぼすこともあり得るのだぞ？？」

蒼熾に重傷を負わせたと思わしき人物が、血濡れの剣を持ちながら下卑た笑みを浮かべている。
最初は戸惑いの気持ちが大きかったが、男やその周りの表情を見て段々と怒りが湧いてくる。
こんな小さな子供相手に過剰戦力できておいて…！

「そうですか。では僕の仲間に手をあげたんです。それ以上の事をされても文句は無いですよね？」

「何をっ！」

今まで人間を殺すのは躊躇っていたが、この際関係ない。
蒼熾を抱きながら右手に魔力を集中させる。

「『神罰・炎』(ディヴァーイジャジメント)」

騎士団がいる周りを町に被害を起こさない為、逃げ出させない為に『多重結界』を展開する。
右手に集中させた魔力を10万度に値する炎に変え僕の下にいる人間全てに放つ。
『多重結界』により逃げ場を失った人間達はどこに行く事も出来ずに炎に当てられ消滅していく。
それを見て一人以外全ての人間が消えたのを確認すると、炎を消してその場から降り立つ。
首謀者と思しき人物は、この一瞬で起きたものに対して痙攣しながら震えている。

「貴方は誰に命令されてこのような事をしたんですか？」

腰から鱗赫を出して男の目に突き刺すようにその場で留める。
尋問の開始だ。