プリンが7個 ページ7
「俺と会ったことあるよね？」
彼の言葉が脳の中で何度も木霊する。
い、いや、まさか、すっぴんの目でバレるわけない〜よね〜！！
思わず前髪を押さえる手に力が入る。
肯定していいのか否定するべきなのか、先程の悩みと絡まって思考がまとまらない。
嘘はつきたくない、だってすぐバレるから。
かと言って真実を伝えるのにはまだ勇気がない。
この状況から逃げ出したい、そう思った時、前髪を押さえる手に温かな何かが触れた。恐らく…彼の手。
んぇ？え？えええ？！
何しとんの！！！
何されとんの私！！！
「ごめん、もう一回顔見たくて。」
『え、ちょ、』
「一瞬だったけど、月明かりに照らされた瞳が本当に綺麗だって思ったんだ」
だから、お願い。と付け足される。
重ねられた手に力が入ったのがわかった。
急に心拍数が上がる。
いくら相手がナンパするチャラ男だと分かっていても、男性と、いや人とほとんど深く関わったことがない私には刺激が強かった。嫌でも意識してしまう。
というか、瞳？
日常ではあまり頻繁に効かない表現に疑問が生じた。
彼は「目」ではなく「瞳」と言った。聴き間違えてなんかない。
瞳、だなんて目の代わりに意識して言う以外に簡単に出てこない言葉だと私は認識している。もし彼も同じならば化粧の有無なんて気にも留めていないのではないか。
少し動揺して手の力が抜けた。
確かめてみても、良いですか。
…単純な私は思いの外コロッと傾いてしまうのかもしれない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とろん(プロフ) - 紺。＠水分補給さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！まったり更新していきますので気長にまっていただけると嬉しいです^ - ^ (2021年10月17日 23時) (
レス) id: 44d692106b (このIDを非表示/違反報告)
紺。＠水分補給(プロフ) - はぅわ…めちゃめちゃ好みです…！なんか、その、(語彙力皆無)とにかくめちゃ面白いし、神作確定ですね！もっと伸びてぇぇぇ！！応援してます！無理のない範囲で更新頑張ってください！ (2021年10月17日 2時) (レス) @page11 id: 8376f1dee6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とろん
| 作成日時：2021年10月13日 19時
