プリンが11個 ページ11
待ち合わせ場所の駅近くに着くと、もう既に上鳴くんは到着していたようで黄色い頭を目印にすぐ合流することができた。
『お待たせ…！』
「！全然待ってねえよ、行こっか」
一瞬目が合ったあと、すぐに逸らされてしまった。何か変な部分があったのだろうか。少し不安にならながらも目的地の喫茶店に向かって彼の隣を歩く。
「Aってさ、お洒落だよね」
『え、ありがとう』
緊張感が抜け切らない雰囲気の中、彼が口を開いた。
面と向かって話したのはあの夜以来なのでどう接したらいいか戸惑う。元より友達との付き合い方もよく知らないのに自然体でいることなど私にはまだハードルが高いのだ。
「Aって趣味とかあんの？」
少し沈黙が起きた後、また彼が言葉を紡いだ。
私は沈黙が平気な方だけれど、上鳴くんはそうではないようだ。私も会話を続ける努力はすべきだな。
『お洒落したり買い物したりすることかな。』
「そんじゃ、この前もその帰りだったん？荷物多かったし」
『そうだよ。』
いざ会話を続けようとしても言葉が浮かんでこない。申し訳なさで死ねそうだ。
今の瞬間だけこれまで人を避けてきた過去の自分に腹が立った。人と用もなしに長時間一緒にいることを経験しなかったおかげで、立派なコミュ障になっていることを実感する。
でもまあ、報連相ができれば問題はないっちゃない。一応伝えるべきことを伝えることはできる。あれ、もしかして私コミュ障ではない…？ただの口下手だよな…？
チラッと視線を横にずらす。整った横顔と太陽光に当たってキラキラ光る髪が目に入る。
上鳴くんみたいに、明るくてコミュニケーションをしっかりとれる人になりたいなぁ。
「ん？どったの、そんな見て。…え、あ、もしかして俺の私服お洒落じゃない…！？」
『そんなことないよ…！なんでもない！』
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とろん(プロフ) - 紺。＠水分補給さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！まったり更新していきますので気長にまっていただけると嬉しいです^ - ^ (2021年10月17日 23時) (
レス) id: 44d692106b (このIDを非表示/違反報告)
紺。＠水分補給(プロフ) - はぅわ…めちゃめちゃ好みです…！なんか、その、(語彙力皆無)とにかくめちゃ面白いし、神作確定ですね！もっと伸びてぇぇぇ！！応援してます！無理のない範囲で更新頑張ってください！ (2021年10月17日 2時) (レス) @page11 id: 8376f1dee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とろん
| 作成日時：2021年10月13日 19時
