【青葉城西】天然な関西少年の…？【男主】

４１球目 ページ44

早坂side





貴「久しぶり………監督。」


早坂「………。」





Aは中庭監督のお墓に線香を燃やす。

そして、立ち上がった。






貴「いつも花取り替えてくれとるんか？」


早坂「おん。」


貴「そか…。」






私はAの服の袖をギュッと掴んだ。

きっとAは……悔やんでいるから…少しでも頼って欲しくて。
なにも言うことは出来ひんけど…今は隣にいてる。






貴「…………。なぁ早坂。」


早坂「なに？」


貴「監督の大好きな言葉、覚えとる…？」


早坂「もちろんや。…いっつも言っとったもん。」


貴「せやな……。」


「美栗！！A！！」


貴「！！」






後ろから名前を呼ばれて振り向いたAは、すごく驚いた顔をした。

Aを呼び出した理由……

それは


みんなと会わせること。




Aはあの事件以来、私たちに会いづらくなったのか病院へも顔を出さずにいたから。


今、みんなが元気だってことを見せて少しでも立ち直って欲しかった！






貴「……み、みんな……っ！！？」


齋藤「Aーーっ！！元気しとったかいな！！？」


貴「お、お前らだって………っ！でも、何でここに…？」


木戸「早坂にお前を連れてきてもろたんよ。たまには全員で挨拶せなあかんしな！」


早坂「ふふっ」


貴「………(涙)」


島田「なんで泣いとんねん。」


大谷「会わん間に泣き虫になるなんて……。」


貴「なってへんわ！…」


糸田「笑笑…Aも変わってへんなぁ！私との身長また開いとるやん！」


貴「あたりまえや、糸田はもともとごっつ身長小さいやろ？」


糸田「なんやてえぇーー！？」






みんなが笑った。

私は…この懐かしい光景に思わず涙をこぼした。


ここにいるみんな、諦めないでどんな辛いリハビリにも耐えた。
Aも悲しみから乗り越える術を探した。


その辛い過去に勝つために。

誰ひとりとして諦めずに戦った。




監督の言葉の通りに…









＿＿＿＿




中庭『勝者は決して諦めない。可能性が無限大であることを忘れず戦い続けろ！』



＿＿＿＿






早坂「中庭監督……。みんな監督のおかげ、これからも見ていてや……私たちのことを。」





ﾌｯと柔らかい風が吹いた。

貴「早坂、はよいくで。」




早坂「おん！今行くわ！」









私達はもう下は向かへん！

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