【第4章】愛してるって言われても困る。【東京卍リベンジャーズ】

責任 ページ22

「シャー！！！！！！」




「いたｯ！」




その瞬間、ガブリと指先を猫に噛みつかれる。驚きと痛みで腕を引いてしまった反動で更に猫の牙が肉に食い込んでいく




「あ、オイ！！」




圭介が声をあげると、私の指を咥えて離さなかった猫の口がかぱりと開けられる。その瞬間にすぐさま指を引き抜いて胸の前に引っ込めると、相当深く噛まれたのかドクドクと血が流れでいた




「大丈夫か！？」




指を抑える私の目の前にしゃがんだ圭介が泣きそうな顔で私の肩を掴む。正直に言えばめちゃくちゃに痛い。お父さんからの暴力には慣れてしまったけど、猫に噛まれるとなるとそれはまた話が違う




生理的な涙が私の目から溢れたのを見て、圭介は更に焦り出して、ポケットをガサゴソと漁り出す。きっと絆創膏とかハンカチとかを探してくれているんだろうけど、圭介がそんなものを持ち歩いている訳もなく、しばらくして諦めた圭介は自分の服の裾で私の指を押さえてくれた




「ごめん…」




「…なんで圭介が泣きそうになってるの」




しばらくすれば痛みは引いてきて、圭介が強く抑えて止血してくれたからか血もだんだんと止まってきた。そうすると今度は泣きそうになっている圭介が面白くてつい笑ってしまう




確かに無理やり猫を触らせようとしたのは圭介だけど、別にこれくらいの怪我どうってことないのに




「ごめん。本当ごめん」




「いや、だからそんなに気にしなくて大丈夫だってば」




面白くなってきてしまった私とは反対に、どんどん表情が暗くなっていく圭介。そこまで真剣に謝られると、逆に私も調子が狂うなぁ




ぐす、と圭介が鼻を啜ったのを聞いて、「もう本当に痛くないから大丈夫」そう言おうとした私よりも先に、圭介が顔を上げた





「俺、責任取ってお前とケッコンする！！！」





「…は？」




いきなり顔を上げたと思えば真っ赤になった顔でそう言った圭介に、思考が停止した。今、ナンテイッタ？？



け、ケッコン…？？圭介のことバカだとは思っていたけど、言葉のキャッチボールも出来ないのか…？




「ど、どういう意味…？」




「…ヨメイリ前の女の子に傷を付けるのはじゅーざいだって」



「そういうことをしたら責任を取ってケッコンしなきゃいけねぇって、この前母ちゃんが言ってた」




「だから、俺お前とケッコンする…！！」

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