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擦り傷 ページ12

「一虎!!!!!」







場地君に肘落としを食らって意識が飛びそうになった頭に、聞き覚えのある声と、そして何かが刺さるような感覚。場地君に抱き着いている腕から伝わってくきたその感触に、顔をあげた





「死ね、場地…!!」




鈴の音とともに聞こえたのは場地君の苦しそうな声。その瞬間、守れなかったと絶望するよりも先に、俺は一虎君を突き飛ばしていた




「何やってんだよ一虎!!!」




疲労していた俺の力でも簡単に吹き飛んでいった一虎君に、千冬が駆け寄って胸倉を掴む。千冬は何度も声をかけるが、放心状態の一虎君には聞こえていないようで暗い瞳で何かをぶつぶつと言ってるだけだった




「…場地君!!!」




がさりと地面を踏みしめる音に気付いて振り返れば、体制を崩していた場地君はなんでも無いような顔をして立ち上がっていた。俺の声に振り向いた場地君は慌てている俺に気付いたのか「擦り傷だ」と、そう言ってくれた



「助かった。武道」






場地君からの感謝の言葉に、守れなかったと焦っていた心にじんわりと安心感が広がっていく。良かった。俺、場地君を守れたのか…!これで、これで一虎君がマイキー君に殺されることもない





一言礼を告げた場地君は俺から目線を外し、その奥に視線をやっていた。それにつられるように自分も後ろを向けば、そこには何故か灰谷兄弟の後ろに立っているAさんの姿がある




あの時、一虎君が場地君に突っ込んできていたあの瞬間。突然聞こえた叫び声はやっぱりAさんの声だったんだ




Aさんは俺に目で合図を送った後、廃車の上から降りてこちらに向かってくる。そして場地君の目の前まで来ると、Aさんは場地君の頬を思い切りぶっ叩いた





「…え!?」





あまりに突然のことで思わず声が出てきまったがAさんはそれに気にする素振りも見せずに場地君を睨みつけている






「あれのどこが擦り傷なの。もう動いちゃダメ」




Aさんの顔には、怒りよりも悔しさや悲しさが強く滲んでいて、自分が彼女に場地君が死んでしまうかもしれないと伝えていたことを思い出した。いくら本人が大丈夫だと言っていたとしても、本来は死んでしまうはずの人だったんだから、それを知っているAさんからしたら心配になるのも当然のことだろう

ねぇ→←守るため



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設定タグ:東京リベンジャーズ , 逆ハー , 東京卍リベンジャーズ   
作品ジャンル:恋愛
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雪ん子(プロフ) - 続きもう無いんですか?💦めちゃくちゃ好きなので、もしよかったら続きを出していただけると幸いです! (8月12日 7時) (レス) @page36 id: fa924563b5 (このIDを非表示/違反報告)
アヤメ - Yun yunさん» すごく面白いです!逆ハー…夢主に対する皆の愛…大好きです!!もっとキャラ達と絡んでほしいです!救済も最高です!続きが気になります。更新応援してます! (2023年1月23日 2時) (レス) id: 2cc13cb731 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - れなさん» 長く放置していたら完結したことになっていたみたいですね、申し訳ないです、、更新させていただきましたので、また楽しんでいただければ幸いです!(^^) (2022年11月27日 14時) (レス) id: 2f139ab8f2 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - ttakedasaki0906さん» 長らくお待たせして申し訳ございません!作品更新しましたので、楽しんで頂ければ嬉しいです(^^) (2022年11月27日 14時) (レス) id: 2f139ab8f2 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - すごく素敵な作品でとっても大好きです。作品終わりになってますけど、もしよければお時間ある時にでも更新していただけると嬉しいです!続きすごく楽しみにしてます!そしてできれば誰も死なない世界戦でありますように (2022年11月24日 5時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Yun yun | 作成日時:2021年11月21日 13時

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