【第4章】愛してるって言われても困る。【東京卍リベンジャーズ】

タイプな女 ページ2

「離して…！」





突然のことに驚いた後、すぐに腕の中で暴れだした女の腕を掴み、動けないように腰の後ろで固定する。女にしては随分と力が強いようだが抱きつくような姿勢をとればすぐに動けなくなった




ハロウィンの日に東卍と最近できた芭流覇羅とかいうチームが抗争をやると聞いて、面白そうだからと仲間も引き連れて見学に来ていた。無敵のマイキーがどんなものか見たくて足を運んでみたが今は芭流覇羅の一虎とかいう男に鉄パイプで殴られて意識が飛んでいる




なんだ、無敵のマイキーなんてこんなもんか。あー時間無駄にした。そう思ってもう帰ろうかと竜胆に言おうと目線を下げた所に、この女は居た




俺達が座っている廃車の下の方であたりをキョロキョロと見回す白い物体。最初は動物かなにかかと思ったがよく見ればそれは人間で、女だった。白い髪も目を引いたが1番は何故こんな場所に女がいるのか。喧嘩の行く末に興味の無くなった俺には丁度良くて、ちょっかいをかけてみようと思って後ろから飛びついた





「…へぇ。お前、随分整った顔してんね」





抵抗する女の顔を覗き込んでみれば、目に飛び込んでくるのは大きな薄紫の瞳。睫毛まで白いこの女は肌も真っ白で、腕を回した腰は驚くくらいに細い




顔を見るまでは正直この場所に迷い込んだバカな一般人だとしか思っていなかったから、びびるほど整った顔をしていたこいつに、一瞬見惚れてしまった





「…そんな事今はどうでもいいです。いいから離してください」




こんな場所で知らない男に動きを封じられているのに、一切動じることの無い女は焦ったような表情を落ち着けた後、大きな瞳を細めて睨んでくる。見た目は細っこくてか弱そうな癖に気が強い。なにこの女。超タイプなんだけど。

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