突然 ページ1
「確か、ここを曲がって真っ直ぐ行った所だったはず…!」
ハロウィンの飾り付けがされている街を抜け、人気の無い道に入っていく。万次郎達から抗争には参加させないと散々言われはしたが昨日の決起集会で会場の場所は聞いている。正直どこも廃工場ばかりのこの通りでは迷ってしまうのでは無いかと思っていたが、進むにつれて男達の怒声が聞こえて来る場所を見つけ、そこに向かって走った
「もう始まってる…」
壁から少し顔を出して中を覗き込めば、黒と白の特攻服を着た男達が乱闘しているのが見える。始まる前に入り込むのは難しいと考えていたから丁度いい。そう思ってぐるりと廃工場の中を見渡していると、ある違和感に気付いた
確かに喧嘩は始まっている。その証拠に私の目の前では何人もの男達が殴り合いをしているのだ。それなのに、やけに静かな場所がある
それは、廃工場の中心にある一際大きな廃車の塔の裏側。こちらからは見えないがその付近の男達が止まって一点を見つめている。加えて幹部のメンバーが見当たらないこと
「どうなってるの…」
ここからでは表の様子が分からない。仕方ない、もう少し中に入って見ないと
そう思った私は出来るだけ乱闘している人達に気付かれないように廃工場の中に入り、壁を伝うようにして中心に向かって足を進めていった
少し進んだところで、ようやく目的の廃車塔が見える位置に辿り着く。思った通りにそこの前にいる人達は喧嘩の手を止めて塔の頂点に目を向けている
「皆が居るのは見えるのに、ここからじゃてっぺんで何があるのか見えない…」
ここが静かな場所だとしたら声で何が起きているのかは大体わかったはずだが、何せ抗争の真っ最中。こんな下の方にいる私には奥で殴り合っていた男達の怒声が邪魔してほとんど何も聞こえない
もう少し見える位置に行こう。そう思って一歩前に足を出した瞬間、真っ直ぐ前を見つめていたはずの視界が突然揺れた
「こーんな所に女の子が、なんの用かな?」
後ろから誰かに勢いよく引き寄せられたと気付いた時には、自分よりも遥かに身長の高い男に見下ろされていた
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雪ん子(プロフ) - 続きもう無いんですか?💦めちゃくちゃ好きなので、もしよかったら続きを出していただけると幸いです! (8月12日 7時) (レス) @page36 id: fa924563b5 (このIDを非表示/違反報告)
アヤメ - Yun yunさん» すごく面白いです!逆ハー…夢主に対する皆の愛…大好きです!!もっとキャラ達と絡んでほしいです!救済も最高です!続きが気になります。更新応援してます! (2023年1月23日 2時) (レス) id: 2cc13cb731 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - れなさん» 長く放置していたら完結したことになっていたみたいですね、申し訳ないです、、更新させていただきましたので、また楽しんでいただければ幸いです!(^^) (2022年11月27日 14時) (レス) id: 2f139ab8f2 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - ttakedasaki0906さん» 長らくお待たせして申し訳ございません!作品更新しましたので、楽しんで頂ければ嬉しいです(^^) (2022年11月27日 14時) (レス) id: 2f139ab8f2 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - すごく素敵な作品でとっても大好きです。作品終わりになってますけど、もしよければお時間ある時にでも更新していただけると嬉しいです!続きすごく楽しみにしてます!そしてできれば誰も死なない世界戦でありますように (2022年11月24日 5時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yun yun | 作成日時:2021年11月21日 13時