隣町 ページ38
「よし。これでペケJも元気になるだろ」
目当ての物が入ったビニール袋を腕にかけ、持ってきていた傘をさして店を後にする
昨日体調を崩してしまった飼い猫であるペケJは、具合が悪くなるとペットショップに売っている高めの栄養食しか食べてくれなくなる。飼い始めたばかりの頃、体調を崩してぐったりしていたペケJにどうすればいいか分からず、とりあえず目についた高めのキャットフードを与えたのがきっかけだ
ウチの付近にはペケJお気に入りのキャットフードが売っているペットショップが無いため、毎回隣町まで買いに来無ければいけないのは少し面倒くさいが、可愛いペケJのためだと思えば、こんなのは朝飯前だ
「それにしても、雨ひでぇな…」
傘に打ちつける雨の音はだんだんと強くなっていく。朝から曇り気味だったから傘を持って出てきたけど、もし持ってこなかったら帰れなくなってたかもな、これ
そう考えた所で、自分がこらから使う予定の道が雨が降ると毎回池のように水が溜まった状態になる事を思い出した。今日の雨はだいぶ酷いし、この調子では今頃は長靴が無ければ通れないくらいにはなってしまっているかもしれない
「…仕方ねぇ。もう一個の道で帰るか」
足首までずぶ濡れになるのと少し遠回りたが濡れずに済みそうな道、その二つを天秤にかけて後者を選んだ俺は、まっすぐ伸びる太い道を逸れた小道に入っていく
人通りが少ない細道を歩いていると、目印である小さな公園に辿り着いた
「ん？」
遊具が１つもない簡素な公園に唯一ある屋根付きのベンチ。何気なくそこに目を向けると、見慣れた横顔が目に入る。白く長い髪に透けそうなほど白い肌。それがAさんだと気付いた俺は、すぐさま公園に入って行った
「Aさん」
俯きがちなその背中に向かって呼び掛けると、振り返ったAさんと目が合った
「あ、千冬だ」
俺の顔を見るなりやっほーっと言って手を小さく振ってきたAさんに、なんだか拍子抜けしながらも傘を畳んで隣に腰掛ける
Aさんの手元に傘は無く、降り始めてしばらくしてからここに駆け込んだのかよく見ると服が透けている。それに気付いてしまった瞬間ぶわっと体中の体温が急上昇していくのを感じながら、俺は平然を装うようにAさんに話しかけた
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Yun yun(プロフ) - ココ子さん» ココ子さんコメントありがとうございます！ゆっくりにはなってしまいますが更新頑張ります(*^_^*) (2021年10月29日 18時) (
レス) id: f365afeec8 (このIDを非表示/違反報告)
ココ子 - この作品読むの楽しみにしてるんで更新頑張ってください!!!!!!!! (2021年10月25日 0時) (レス) @page29 id: dc57592ff5 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - 夜空さん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからもゆっくりではありますが更新続けていきたいと思いますのでよろしくお願い致します！ (2021年10月24日 18時) (レス) id: f365afeec8 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - 紅華さん» コメントありがとうございます！更新サボってしまって申し訳ないです（ ; ; ）これからも頑張ります^_^ (2021年10月24日 18時) (レス) id: f365afeec8 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - yun yunさん続編おめでとうございます！この小説大好きです！これからも応援します！ (2021年10月14日 12時) (レス) @page17 id: df78dab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yun yun | 作成日時：2021年9月27日 1時
