彼 ページ24
規則的に繰り返されるアラームの音。ぼやけた目を擦りながら目覚まし時計を止めれば、時刻は10時ぴったりだ。自分でこの時間にセットしたのだから当然なのだが、本当にこんな時間で良かったのかと不安になる。
彼からは確かに10時半に家に来て欲しいとメールが来ていたから間違いはないだろうけど、夜遅くに他人の家にお邪魔するのはなんだか気がひける気がする。かといって約束をすっぽかすわけにもいかず大きなあくびを一つ溢した後、寝転がって崩れてしまった髪に櫛を通した
家を出てから少し歩いた所の、人通りが多い場所に立ち止まって彼の到着を待つ。迎えに来てもらわなくても自分で行くよ、と言ったのだが彼は迎えに行くと言って聞かなかったので最終的には私が折れたのだ
それにしても一体どうしたのだろう。彼はいつも何を考えているのか分からないような男で、俺を頼れ。と言ってくれることはあれど私に頼ってきたことなんて初めてだ。
訳を聞いても会ってからじゃないと話せないと言われてしまったので何があったのか私はまだ分からない。まだ少し肌寒いこの季節に薄着で出てきたことを後悔しながらなんとなくしゃがみ込むと、聞き慣れた声が耳に響いた
「A」
声の発信源である彼がバイクでは無く歩きで来たことを少し意外に思いながらも、すぐに立ち上がってそばに駆け寄った
「迎えに来させちゃってごめんね」
「圭介」
集会帰り。私が出席しなかった三番隊隊長任命式に行っていた圭介は当たり前だが特攻服を着ていた。私の言葉に意味が分からないという表情を見せた彼は、女を夜に1人で歩かせる訳ねぇだろ。と一言言った。
格好つけてるとかそういう訳ではないということは彼の心底不思議そうな顔を見ればすぐに分かることで、圭介のお母さんは男の子を教育するのが上手だなぁなんて思った。東卍の皆は喧嘩はすれど女に手を挙げることは決してない。
それは総長である万次郎の考え方で、それに従っているだけの人もいるだろうが良いことに変わりはないのでぜひその考えを全国の不良達に広めてほしい
「行こうぜ」
ポケットに入れていた手を出し、こちらに差し出してくる圭介。その手を迷わずに握った私は圭介に合わせて歩き出し、チカチカと点滅し始めた街頭に背を向けた
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Yun yun(プロフ) - ココ子さん» ココ子さんコメントありがとうございます！ゆっくりにはなってしまいますが更新頑張ります(*^_^*) (2021年10月29日 18時) (
レス) id: f365afeec8 (このIDを非表示/違反報告)
ココ子 - この作品読むの楽しみにしてるんで更新頑張ってください!!!!!!!! (2021年10月25日 0時) (レス) @page29 id: dc57592ff5 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - 夜空さん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからもゆっくりではありますが更新続けていきたいと思いますのでよろしくお願い致します！ (2021年10月24日 18時) (レス) id: f365afeec8 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - 紅華さん» コメントありがとうございます！更新サボってしまって申し訳ないです（ ; ; ）これからも頑張ります^_^ (2021年10月24日 18時) (レス) id: f365afeec8 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - yun yunさん続編おめでとうございます！この小説大好きです！これからも応援します！ (2021年10月14日 12時) (レス) @page17 id: df78dab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yun yun | 作成日時：2021年9月27日 1時
