雨宿り ページ44
「ダリィ…雨降るとか聞いてねぇよ」
突然降ってきた雨のせいでセットしていた髪は垂れ下がり、視界に入ってくるのが鬱陶しい
稀咲に呼び出されこれからの計画について話し合ったあと、暇になった俺は誰かに喧嘩でもふっかけてやろうとぶらぶらと歩いていたのだが、こう雨に降られてしまっては気分も落ちるというもの
バイクで来ていれば躊躇なく濡れながら帰ったが、気分転換に徒歩で来たのが間違いだった
どうしたもんかと無計画に歩いていると、古いバス停が目に入る。今時珍しく木製の小屋ようになっていて、屋根も付いている。雨宿りに丁度いいと思った俺は小走りで小屋を目指した
「…あ?」
バス停に着き中を見ると、そこには俯いて座る女が居た。女は俺と同じくずぶ濡れで、長くて白い髪からは水滴が垂れている
明らかになんかありました。といいたげな雰囲気を纏う女に、めんどくせぇと思ったが、雷まで鳴り始めた空模様に、しょうがなく女の隣に腰を下ろした
メールで稀咲に濡れたことへの文句を送りつけたあと、ポケットの中を漁る。取り出したタバコは奇跡的に濡れておらず、隣に女が居るのも気にせず火をつけた
「…」
煙を吐きだしながら、なんとなく隣に目を向ける
静かに座る女は深く顔を俯かせていて、顔は見えない。そのまま視線を下に写すと、薄手の服が濡れて下着が透けているのが目に入った
紫のレース付き。見たところ中学生くらいなのに、随分エ ロい下着着てんなぁ
「良い趣味してんねお前♡」
めんどくさい事には極力関わりたく無いのでこの女のことも無視しようと思っていたのに、気付いたらなんとなく気になって声をかけていた
「ねぇ」
「ん?」
「それ、美味しい?」
俺の問いかけに無反応だった女は、しばらくして顔をあげる
こちらを向いた事でようやく見えた女の顔は恐ろしいくらいに整っていて、一瞬何を言われているのか理解できなかった
「タバコ、美味しいから吸ってるの?」
「…あー、別に美味くはねぇな」
突然止まった俺に再度声をかけてきた女は、咥えているタバコに指を指す
「ふぅん…よく分かんないね」
期待していた答えでは無かったのか、つまらなそうに指を下ろした女は濡れた髪を耳に掛けた
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Yun yun(プロフ) - 腐腐腐さん» コメントありがとうございます!これからも更新頑張りますね!(^^) (2021年9月23日 22時) (レス) id: 81736f4f89 (このIDを非表示/違反報告)
腐腐腐 - めっさ好きです!続き楽しみに待ってます! (2021年9月23日 17時) (レス) @page48 id: c7cac8184e (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - snj78_さん» 変換し忘れていた部分があったみたいです。すみません(~_~;) 気付いた部分は直したのですが、他にも変換出来ていない部分がありましたらまたコメントして頂けると助かります! (2021年9月20日 22時) (レス) id: 81736f4f89 (このIDを非表示/違反報告)
Yun yun(プロフ) - クリスさん» コメントありがとうございます!その一言だけで一万文字は書けます…笑これからも頑張りますね! (2021年9月18日 22時) (レス) id: 81736f4f89 (このIDを非表示/違反報告)
クリス(プロフ) - 面白すぎます!続き楽しみにしてますね! (2021年9月18日 21時) (レス) id: 6dab28c1fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yun yun | 作成日時:2021年9月13日 16時