【第2章】愛してるって言われても困る。【東京卍リベンジャーズ】

恐怖 ページ41

「万次郎、お帰り…」




あの後、その場に残った春樹は捕まり、少年院に入れられてしまった。幸いにも長内は生きていて、成人まで出てこれない訳ではないというが、それでも長い間彼に会えなくなるのは変わらない





しかしそれに納得のいかない万次郎がお金を使ってでも春樹を出してやりたいと言い出した




もちろん堅はそれに反対して、2人の意見は分裂。東卍の中でもマイキー派やドラケン派、とどんどん話が大きくなっている





「…疲れた」





「うん…」





堅と喧嘩をしてから、万次郎はずっと不安定だ。時々フラッと出掛けていって、帰ってきたと思ったら自分の部屋ではなく私の部屋になだれ込んでくる




今日もベットに居る私に向かって倒れ込んできた万次郎を抱きしめる。昔からスキンシップが多い方ではあったが、最近はいつもの比ではないくらいに彼は私の側に居たがった





「もう俺、アイツとは縁切るから」





「…」




噂にはなっていた。万次郎と堅がついに縁を切るのではないか、と

　


それでも本人の口から言われるとショックが大きくて、なんと返事をすれば良いのか分からない




「Aは、」




「お前は、俺の意見に賛成してくれるよな？」





私の肩に顔を埋めていた万次郎は、黙り込んだ私をいつも以上に真っ黒な瞳で見上げてくる




「春樹のこと？」




「大事なダチが年少行ったのを黙って見てられるわけねぇだろ。出してやれる方法があるなら、俺は何だってしてやりたい」






万次郎の気持ちも良くわかる。春樹は創設メンバーの1人で、私達にとってかけがいのない存在。そんな春樹が少年院に行って、長い間会えなくなるなんて私も、それに堅だって辛いはず





「私だって、出来ることなら春樹に会いたいよ」




「だろ？だったら」




「でも、」




それでもやっぱり、万次郎のやり方は良くない事だと思った




「お金で解決しようとすることには賛成できない」




「…は？」




私の言葉を聞いた万次郎の声は聞いた事もないくらいに低くて、恐怖さえ感じる




それでも、私の考えをちゃんと伝えないといけない。微かに震える拳を握り直して万次郎の目を見つめる

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