【第2章】愛してるって言われても困る。【東京卍リベンジャーズ】

危機 ページ39

「おい、コイツ立ったまま気絶してるぞ！」




ついに限界を迎えた春樹は、そのまま万次郎の肩に倒れ込んだ





「ごめん、マイキー…」

　



「俺…不甲斐ねぇな」





「何言ってんの?パーちん」





「お前、負けてねぇよ」



万次郎がそう言った途端、愛美愛主からどこをどう見たら負けてないんだ、だの馬鹿にするような言葉が飛び交う




しかし万次郎はそれを気にもせず私の方に目配せをした





「A」




「了解」




春樹を支える万次郎の側に行き、意識のない春樹を預けられる。そして近くにいた良平にも手伝ってもらいながら、安全な場所まで春樹を運んだ




その間に万次郎は、下っ端達の間を抜け長内の元へ向かって行く






「あ？やんのかマイキー」





相当自分の腕に自信があるのか、目の前に万次郎が来ても長内は余裕そうだ




しかしその数秒後には万次郎の蹴りによって撃沈していた。秒殺すぎてちょっと笑いが堪えられない





「…ごめん、ケンチン。やっちゃった」




長内が完全に意識を失った後、気まずそうにこちらを向いた万次郎。多分さっき堅が少し調べてみるべき、と言っていたのを気にしているのだろう




とはいえこの状況だったら私も手が出ていたと思う。謝られた堅も、怒るどころか笑っていた





「しょうがねーなぁマイキーは」



武道君があれほど必死に止めようとしていたから、てっきり何か良くないことが起こってしまうんじゃないかとヒヤヒヤしていたけど、丸く収まってしまった




良かった、やっぱり悪い予感も私の勘違いか




ホッとして万次郎の方に顔を向けると、その後ろで大きな影が動く。それは倒れていたはずの長内で、手には割れた瓶を握っている





「…万次郎！！！！」





「危ねぇマイキー！！」

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