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何度かA棟とB棟を間違えながら走ってたら
C棟の二階の踊場で
なにやら人だかりができている
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その中心には
Aと・・・翔ちゃん！
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――なに、なんの騒ぎ？
――翔ちゃんが告白中なの
――誰に？
――Aちゃんに
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そんな会話があちこちでされている中
俺はただ２人をガン見していた
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翔ちゃんが・・・まじで？
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そうなったらもう笑えない
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翔「A、俺はな、一年の時からお前が好きだった」
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たちまち『ヒュー』という冷やかしが飛ぶ
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そうか
そんなに前から・・・
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翔「家も近いし、いつも一緒だったからそんな風に見えないかもしれない」
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「翔君ちょっと、」
翔「俺を見ろ」
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翔ちゃんが、両腕で通せんぼをした
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女子は生唾を飲み
男子は今にも翔ちゃんに殴りかかりそうだ
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皆、この一部始終を見守ろうとしているのだ
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ﾅﾙﾐ「翔君！」
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えっ！ここで来るか！？
お久しぶりですゴジラさん！
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しかし来るとこ間違えてませんか！
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まさかの登場に
その場の全員が修羅場だとワクワクし始めた
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だが実はゴジラがそう思いこんでいるだけなのだ
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ﾅﾙﾐ「私がハッキリしないから…」
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もうきっと誰もついて来れていない
そこからスポットライトは完全にゴジラに向いた
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ﾅﾙﾐ「私が好きって言わないから、諦めたんでしょう！？」
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翔「ちょっと意味分からんが
俺が好きなのはAだけだ。邪魔してくれるな」
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その一言で
翔ちゃんの好きな人(A)
＝Aの好きな人(翔ちゃん)という結論に着地しようとしていた
そのとき
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「わっ、私の好きな人は
二宮和也君で〜す！！」
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・・・へっ！！？
俺か！？
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作者名：柚木 | 作成日時：2013年7月3日 21時
