好きとはなんでしょう？ KZ恋愛日記

天使 ページ9

それからその日は翼とは話さず、一日が過ぎた。
なんだか翼もわたしを避けてるみたい。
やっぱりちょっと言い過ぎちゃったかな？

だって翼は私のために色々言ってくれたのに…
悪かったかも。


でもただ私はみんなと同じように恋愛して、彼氏ができて、好きになりたいだけなのに…

なんでこうなっちゃったんだろ？
思わずため息が出る。
今日は晴れ。
でも憂鬱なのは変わらない。

わ、泣きそうかも…

と、その時！
電話がかかって来た。
携帯には『黒木くん』の文字が。

「…はい、彩です。」
「やあ、アーヤ。元気？」
そういえば黒木くんと喋るの久しぶりかも。
…全然元気じゃないけどね。

「元気そうじゃないのは知ってるよ。っていうか、バレバレ。声と背格好でね。」

背格好…？
もしや！

後ろをゆっくり振り返るとそこには黒木くんがいた。
こちらに手を振りながら甘い笑顔を向けて。



するとその瞬間、なぜか涙が出て来てしまった。
人前で泣くのは恥ずかしい。
けど。
もう我慢できない…

私は黒木くんに近寄ると泣き出した。

黒木くんは何もかもわかったように私を胸に抱き寄せてこうささやいた。
「よく頑張ったね、アーヤ。」

その言葉で私の心はふわっと軽くなった。

…ありがとう、黒木くん。

☆☆☆☆☆

「…それで、美門と喧嘩した…と。」
ここは近くの公園。
桜の木に近いあるベンチに座った黒木くんと私はなんだかカップルみたいだった。
泣きじゃくりながら経緯を話すと黒木くんは黙って聞いてくれた。

ん、そう…
「わかった。落ち着いた？」
たぶん…
そう言うと黒木くんは近くの自動販売機からジュースを買ってきてくれた。
「払わなくていいよ。お礼はあとで。」
私が財布を出そうとすると黒木くんは言った。
「お礼って？」
「んー、じゃあキスとか？」

思わず飲んでいたジュースでむせそうになる。
げほっ、キ、キス？
それは…ちょっと…。

「あはは、冗談！若武が妬いちゃうしね。」

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