好きとはなんでしょう？ KZ恋愛日記

翼論 ページ8

聞いたことない翼の大声にクラスメートが固まってしまう。

「あれって、美門くんの声だよね…？」
「クールビューティの？」
「そうそう、何があったんだろ。」
「立花さんと話してたし喧嘩とか？」

わ、翼〜！
だめだよ、外行こう！

私が無理やり外まで引っ張って行くき嫌がる翼に聞いた。

「何がそんなにだめなの？」

翼は深いため息をつくと口を開いた。

「例えばさ、アーヤのことを好きな人がいたとするよ。例えばだから！」

私が否定しようとすると翼は例えばを強調した。
…うん、例えばね。

「そのひとがアーヤの事を好きで好きでたまらなかったのに他の人にとられてしまったとします。ここでアーヤに質問です。その人はどんな気持ちになるでしょう？」

なんだか国語の問題みたい。

きっとすごい悲しいよね。
相手がどうであれ、好きっていうのは変わらないから。

「正解。で、もしこれがアーヤが本当に好きな人と付き合ったんだったら、それほど悲しまないと思うんだ。むしろ祝福したい。」

うん…

「でもアーヤが本当に好きじゃないのに付き合っちゃったら、イライラするし、アーヤってこんな人なんだって失望すると思う。」

こんな人って？

「誰とでも付き合っちゃう軽い女だってね。」

その瞬間ズキっとしてしまう私。

でも…
なぜか素直になれなかった。

「…翼には関係ないじゃん！」


そう言って走り去ってしまった。

好きってなんだろう。
永遠の疑問を胸に。

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