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伝えたいこと ページ30

「あの…アーヤ。」




「…ん?」


なるべく普通に話せるように努力してもどうしても話し方がいつもと違くなってしまう。

ぎこちないっていうか…



「あの…」


翼は何かを話そうとして2、3回口をパクパクさせたんだけど、諦めたようにため息をついた。

そしてみんなに向き直ると静かな口調でこう告げた。


「みんな、悪いんだけどアーヤと2人きりにさせてもらえない?」





一瞬の沈黙。





「…了解。」


そう口を開いたのは黒木くん。


翼はホッとしたように無でをなで下ろすと

「さんきゅ。」



と短く答えてまた黙ってしまった。




「ほら、みんな出るぞ。」



黒木くんがリビングのドアを開けて言う。



「じゃあ、俺らはどこにいればいいの?」


そういえばそうだな…


あ、じゃあ…



「嫌じゃなければ私の部屋にいていいよ…」


かすれ声で告げる。




「本当?ありがとう、アーヤ。迷惑じゃないかな?」



んーん、迷惑かけてるのは私の方だし…

むしろ使って!って感じなんだけど。



「おい、待てお前ら!俺だって彩と美門の話を聞く権利があるぞ!俺は彩の…」


「若武、これ以上アーヤを困らせたくないなら黙った方が身のためだけど。」



黒木くんが若武にそう小さく呟いたのを私は聞いた。


「…早く終わらせろよ。」

ちょっと口を尖らせてそう言う。





黒木くん…




恐るべし!



☆☆☆☆☆



みんなが外に出ると翼はわたしの方に向き直って大きく深呼吸した。



何度か悩んだように目を泳がせたりもしたけど、数分後わたしの方へもう一度向き直った。


翼の茶色いチョコレートのような瞳はキラキラと、でも意思に満ち溢れたようにしっかりしていて、とても綺麗だった。




そして…




翼は口を開いた。




「あのね、アーヤ…」

理由は…→←みんな



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心結 - 私、上彩大好きなので、このお話とっても面白かったです‼上杉君と彩ちゃんが聴いていた曲の原曲を教えてください‼本当に面白かったです‼これからも面白いお話を書いてください‼ (2022年3月20日 19時) (レス) @page17 id: 8499dda6bc (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 夢月さん» あれは私がなんか勝手に作ったものです〜wこんな感じの歌あったらいーなー的な感じでw あ、あとこの話も読んでくださってありがとうございます!コメント嬉しいです〜! (2018年8月15日 22時) (レス) id: 7c3b5f2f13 (このIDを非表示/違反報告)
夢月 - 曲で出てくる,自分の意思わからないままただ流されてって何の曲の歌詞ですか?  (2018年8月15日 20時) (レス) id: 67f263e71b (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 杏梨さん» ありがとうございます!不定期ですが頑張ります♪ (2018年1月22日 21時) (レス) id: adb9575f48 (このIDを非表示/違反報告)
杏梨 - 更新楽しみにしています!! (2018年1月22日 19時) (レス) id: e98c97ccbe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:上杉奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz  
作成日時:2017年8月16日 22時

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