音 〜上杉side〜 ページ21
答えなきゃか?これ。
「…ボカロ」
う、上杉くんがボカロっ!?
ってぜってー思ったな、こいつ。
顔に書いてある。
「…別にいつもボカロじゃないからな。た、たまたまこの曲が好きだっただけで…だから、」
「あ、そーなんだ…私もたまに聴くよ、ボカロ。」
また沈黙。
2人だけだとなんだか恥ずかしくて目を合わせらんねーんだよな。
あ、そーいや。
「おい、」
「は、はい!」
俺が急に話したのもいけないんだろうけど、立花の声は面白いくらい裏返っていた。
「すげー声」
思わず声に出してしまった。
だって可愛かったし。
そういうと立花ほっぺたを膨らまして、
「むぅ、悪かったですね。」
と若干キレ気味に言った。
ぶはっ、むきになるなって!
やっぱ立花といるとおもしれーわ。
ある意味素直になれるし。
でも、立花に抱く「この」気持ちは素直になれない。
ずっと隠し続けるつもりだしな、。
でも。
本当にそれでいーのか?
悩んでも仕方ねーのは分かってるんだけど…
って、立花放心してね?
「立花、立花、立花!」
手を上下に振り、意識をはっきりさせる。
疲れてんのか?
俺の手に気づいたらしい立花ははっとして
「あ、ごめんね。ぼーっとしちゃった。」
と俺に謝った。
別に謝んなくてもいーのに。
謝ってばかりじゃ損だぞ。
あ、そーいや。
「さっきからぼーっとしたり、ため息ついたりばっかしてるだろ、お前。ちょっと休んだ方がいんじゃね?」
本題忘れるとこだった。
あぶねー。
俺が質問すると立花はちょっと困ったように首を横に振った。
「いや、これは疲れてるからじゃなくて…」
「?じゃなくてなんだよ。なんか悩み事でもあんのか?」
「実は…そうなんだ。」
やっぱな。
「そうか。」
「うん。」
今、俺が立花に出来ること。
それは。
「じゃあ、」
無造作に自分がしていた白いイヤフォンをはずし、立花の小さな耳に入れる。
立花はびっくりしてるけど何も反論しなかった。
買ってもらったばっかりのスマホを起動させ、ミュージックを開く。
あ、か、さ…
あった。
俺が落ち込んだり、悩んだりする時に結構聞く曲。
優しい感じのギターとドラムが絶妙にマッチしてんだよな。
俺の大好きな曲、立花の助けになるといいけど…
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心結 - 私、上彩大好きなので、このお話とっても面白かったです‼上杉君と彩ちゃんが聴いていた曲の原曲を教えてください‼本当に面白かったです‼これからも面白いお話を書いてください‼ (2022年3月20日 19時) (レス) @page17 id: 8499dda6bc (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 夢月さん» あれは私がなんか勝手に作ったものです〜wこんな感じの歌あったらいーなー的な感じでw あ、あとこの話も読んでくださってありがとうございます!コメント嬉しいです〜! (2018年8月15日 22時) (レス) id: 7c3b5f2f13 (このIDを非表示/違反報告)
夢月 - 曲で出てくる,自分の意思わからないままただ流されてって何の曲の歌詞ですか? (2018年8月15日 20時) (レス) id: 67f263e71b (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 杏梨さん» ありがとうございます!不定期ですが頑張ります♪ (2018年1月22日 21時) (レス) id: adb9575f48 (このIDを非表示/違反報告)
杏梨 - 更新楽しみにしています!! (2018年1月22日 19時) (レス) id: e98c97ccbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:上杉奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz
作成日時:2017年8月16日 22時