好きとはなんでしょう？ KZ恋愛日記

イヤフォン 〜上杉side〜 ページ20

思わずまた一人でため息をついた。

今日で何回目だ？
このごろため息しかついてねーよな。



…寒

9月とは言えど夜は寒い。
異常気象で暑かったり、寒かったりって…
風邪ひくっつうの。

やべ、手が冷えてきたな。
首に手を当てて手をあっためる。

自然と頭をあげる体制になった俺。
少し上を見上げれば満天の星空が目に飛び込んできた。


すげー秋晴れだな。


そーいえば立花、もう中入ったか？
てかまだ外にいたらぜってぇ風邪ひくって。

さみーし、入っただろ。


そう思って柱から身を乗り出して、ちょっと立花がいた方を覗いてみると、予想と反しして立花はまだ家の外に突っ立ってた。



なんか様子おかしくね？

いつもの立花じゃねーよ。

いつもなら一人の時も表情がころころ変わって楽しそうなのに…


今日はただじっと地面を見つめてぼーぜんとしてる。
家に入らないのも変だ。





あ、そうか。


立花は悩んでんだ。




いつも何かしら悩んでる俺には立花の気持ちがわかる。

あと立花のことが好きなやつの1人としても、な。


ずっと、ずっと見てきたから。
たとえ気づかれなくても。
見てきたから。


ここは平静を装って立花の相談にのるのが一番だろ。


「あれ、お前…」





なるべくさっき通りかかったような声を出す。






「上杉くんっ！？」




立花が目を見開いて驚いた。
そりゃ、びっくりするよな。
二連続に友達に会ったら。



「あ、あの…」


ん？

立花はもじもじしながら、自分の伝えたいことをまとめようと努力していた。


…可愛い。



で、理由か？聞きたいのは。


「たまたま通りかかったら立花がぼーっと突っ立ってるからさ。」


ま、嘘だけど。

立花に会うために来たなんて死んでもいえねー。

若武とか黒木なら言える…だろうな。

俺はそーゆーキャラじゃねーからしょうがねーけど。


立花も何かを考えてるらしく、無言がつづく。

俺の耳に入ってくるのはイヤフォンから流れる優しいギターとドラムだけ。


「なに、聴いてるの？」


「色々。」


どーしても返事が短くなってしまう。

素直じゃねーな、俺。


「…じゃ、今は何聴いてるの？」

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