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ブラックコーヒーを全部飲み干し、一息ついたところでチーノくんが口を開いた。
ci「Aはさ、ほんまに俺と付き合って大丈夫なん？」
チーノくん、何で今それを聞く？
もしかして私の返答次第では、『やっぱり付き合うことを無かったことにしてくれへんか！』とか言おうとしているのだろうか。
「ずっとチーノくんのことが好きだったんだから。寧ろ逆にチーノくんは本当に私で良いの？」
「ごめん。もうこの質問、押し問答になるしやめよ」とチーノくんが眉を下げて苦笑する。
ci「絶対、Aに後悔なんかさせへんから」
徐々にチーノくんの顔が近付いてきて、視界はチーノくんしか映らなくなる。
「チーノくん？」
「目、閉じて」とチーノくんに言われて、チーノくんに言われるがまま大人しく目を瞑る。
「ん…っ！」
すると突然唇に柔らかい感触がして、息が苦しくなるまでチーノくんに何度も何度もキスをされる。
チーノくんとの初めてのキスはコーヒーの苦い味がして、つい先程まで飲んでいたコーヒーの香りがふんわりと薫る。
チーノくんは満足したのか、へにゃっと笑ってキスをするのをやめた。
ci「ほんまはもうちょっとAと一緒におりたいけど、あんまり長居したら悪いしそろそろ帰るわ」
「そんな、気を遣ってくれなくても良いのに」
「…続きはまた今度な！」とチーノくんは言って、チーノくんは上機嫌に足取り軽く帰って行ってしまった。
「…え、嘘…本当に夢じゃないよね…？」
私は自分の頬を思いっきりつねって確認をすると、分かっていたけど普通に頬が痛い。
心臓はずっとバクバクと音を立てていて鳴り止まない。
チーノくんが帰って行った後もしばらくの間、私は玄関の前で呆然と立ち尽くしていた。
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