【d!】空舞う花束、君は憂う。【ci】【完結】 (ページ1)

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大学時代の友人の結婚式にお呼ばれした。

私は久し振りに会った友人のウエディングドレス姿を見て、色々と感慨深い気持ちになっていた。

ブーケトスが始まると、友人が投げたブーケが空を舞う。

ブーケを貰えた人は次に結婚が出来るという言い伝えがあるが、果たして彼氏すらいない私に効果はいかがなものだろうか。

気が付けば空を舞っていたブーケは、すっぽりと私の手の中に収まっていた。

「おめでとう」と拍手で祝われる中、心中複雑な気持ちだった。

私は高校時代に当時好きだった人に告白をして、振られたのが原因で未だに恋愛に一歩踏み出せないでいた。

私の手の中にあるブーケを見ながら、物欲しそうな顔をしている他の女の子達に向けて投げたら良かったのに。

ブーケを片手に新郎新婦と記念撮影をしながら思案していると、新婦の音成(おとなり)ちゃん…音ちゃんが声を掛けてきた。

今は入籍して、苗字が音成から変わってあまの()天乃さんになっている。

『Aに、どうしてもブーケを受け取って欲しかったんだ』

「音ちゃん、なんで私だったの？」

『Aには、1番幸せになって欲しいから』と音ちゃんが答えた。

音ちゃんは旦那さんに呼ばれ『A、ごめんね。ロボロくんに呼ばれちゃったから、そろそろ行くね』と言って戻ってしまった。

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