○ ６ ページ7
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ーバンッ、ドカンッ！！
「・・・ハァ、ハァ」
6年ぶりに部屋から出て
初めて目にしたものは
「・・・ぅっ、」
血だらけの人間だった。
ジーク「見るな。俺の後だけついてこい」
判別もつかないくらい顔はぐしゃぐしゃで、関節は違う方向に向いていた。
頭の中に残って消えない。
気持ち悪くてたまらない。
震えも止まらなくなりそうで、怖くて。
それでも懸命のジークの背中だけを見て
ただひたすらに走った。
.
.
「あれ・・」
ジーク「・・何も言わずに黙って後ろにいろ」
「、ん」
正面にはウルフの一員。
男「ジーク、何チンタラしてんだ！押されてるんだ、さっさと応戦し・・・ って、Aじゃねえか！てめえどうやってで「すまないな」」
「、ひっ、」
一発の銃弾は男の脳天を貫いた。
血しぶきと共に沈んでいく。
ジーク「こういう世界だ、ここは」
ジークはぴくりとも表情を変えずに淡々と言った。
6年間を人形のように過ごしてきた時間はあまりにも長く、初めて見たものに気持ちがついていかないのも当たり前だった。
ジーク「撃つか撃たれるかだ。
自由になりたければ撃て、撃ってみせろ」
ジーク「こんなことで弱音を吐いているようじゃ、俺に連れていかれるぞ」
ジークの言葉は辛辣で、
けどそれはこの世界では普通のことであって。
それができない私は死 ぬだけだと教えてくれているだけだ。
「・・・やる」
ジーク「・・・」
「やってみせる」
変わるんだ。
この縛られた環境から、弱い自分から抜け出す。
この世界で強くなって、自由を手に入れるんだ。
ジーク「いい目をしている、大丈夫そうだな」
「うん」
.
.
ジーク「・・・さてと、俺はここまでだ」
階段を降り終わると、ジークは足を止めた。
ジーク「任務がある。
ここを真っ直ぐ突っ切れば出口だ。
だが、外も安心とは言い切れないぞ」
少しだけ、手が、足が震える。
「やってみなくちゃ、何も始まらない」
ジーク「、そうだな。Aならいけると信じているよ」
「うん、ありがとう」
ジーク「・・あぁ。さぁ、敵がいないうちに行け！」
背中を押され、
そのまま振り向かずに暗闇に足を忍ばせた。
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作者名：はに | 作成日時：2018年8月17日 19時
