○ ５ ページ6
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ドキドキと心臓が早く鳴り始める。
「ここから出られるチャンスかもしれない」
出たところで
何をするかもどうするかも決まっていないけど、
このチャンスを逃したら次はいつ出られるか分からないから・・・。
.
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＿＿ガチャ！
「誰・・・って、
ジーク」
ジーク「cuoreが潰しに来た。
ウルフの行動は全て筒抜けだったみたいだ」
ジークは素早く部屋に入ると、片手に持っていた銃をしまい私に近づいて来た。
「やっぱり」
ジーク「とりあえず出るぞ」
「・・え」
ジーク「お前が俺のとこに来ないのは承知の上だ。だが、まず出ないことには何も始まらないだろう」
真剣に話しながら、腕をグッと掴んで立ち上がらせる。
何処から用意していたのか検討つかないが、ゴムを取り出して私の長い髪を束ねた。
ジーク「走る時に邪魔だろう、適当だが許してくれ。
・・・お前を見つけたら、ウルフは勿論、cuoreもすぐさま銃も向けるはずだ。
俺も自分の仕事があるからずっと一緒にいることはできない、
・・・それでも一人で行くか？」
大きな銃声や衝撃音が響き渡る中、
私達の空間は止まっているようにも思えた。
自分をこんなにも思ってくれている人がいるなら行ってもいいんじゃないか、未来を信じてみてもいいんじゃないかと何度も迷った。
・・・けど
「とても嬉しい言葉だけど、やっぱりごめん。
私は自分の手で自由を見つけていきたい、自分が求める場所を、人を探していきたい」
拳を握りしめ、ジークを見つめる。
ごめんなさい、
でも今度こそ、自分の人生を見つけたいから。
今はこう言うしかないの。
ジーク「はぁ・・・分かった。
ただし、何かあったら必ず連絡しろよ」
"すぐに行く"と、銃と共に紙切れを私に渡した。
そして優しく頭を撫でて、ふわり微笑んだ。
.
ジーク「いつかお前の笑顔を見てみたいもんだよ」
「・・・見れたら、幸せになれた証拠」
＿＿そんな日が来るかなんて
今は想像もつかない。
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作者名：はに | 作成日時：2018年8月17日 19時
