雫が三十七粒 ページ39
地図の場所につくと、太宰はさらに嫌な顔をし、大きく溜め息を溢した。
「あー、やだやだ。あんな蛞蝓の顔なんて見たくもないけど、君はあの子に会いたいみたいだし、、、。面倒ではあるけど、彼の気を一時的に引いてあげるから君は強行突破で家に入りなさい。」
「分かった。」
眉を潜めながら太宰は家のインターフォンを鳴らす。
すると家の玄関からガチャリという音が聞こえると、オレンジ色の髪の男が出てきた。
「なっ、てめ糞太宰!!何でこんなところに居やがる!!」
「えー、中也の嫌がらせ?」
「ざけんな!!」
今だと言うように太宰はAに目で合図をした。
Aは素早く中原の横を通りすぎ、家の中へと入る。
「なっ、待ちやがれ!!重力操作!」
「はい、悪いけどそれ禁止。」
異能力を使おうとした中原を太宰が中原の肩を軽く叩き異能無効化させた。
「どういうつもりだ太宰。彼奴を一番嫌ってたのは手前だろうが。」
彼奴、というのは琴音の事だろう。
その言葉に太宰はニッコリと笑った。
「ああ嫌いだよ。どんな理由があれ、彼女はAちゃんを傷付けたからね。」
「随分とあの女に執着してるんだな。」
「君も人の事は言えないだろう?」
何も言えない。
何故なら中原も琴音に惹かれているのは自覚している。
だから太宰のその言葉に何も言い返せれなかった。
「、、、チッ。で?あの女か?琴音の大切な奴ってのは。」
「そうだよ。そういえば中也。君、あの子について何か知ってる?」
答えは、イエスだ。
しかし勝手に自分がこいつに言うのは失礼だと思い、中也は「さあな?」とあやふやな回答をした。
太宰は赦せれ無いのだろう。どんな理由があったとしても、Aを傷付けた事を。
「でもなぁ、太宰。俺も一つ、手前をどうしても赦せない事があるぜ?」
「何だい?」
「何故彼奴の髪を切った。」
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狼狐(プロフ) - 必殺!一気読み!!▼狼狐は一気読みを繰り出した▼ ←マジです。1時間で読み終えました(遅)感動し過ぎで泣きました。最初悪女に成り切れない悪女ってどゆこと?って思ってましたがこーゆーこととは・・・・!納得です★あぁ、続きが見てぇ・・・ (2022年2月12日 17時) (レス) id: 563f93d61f (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - 感動のあまり、涙が……泣けました。コレってアニメ化しないんですか?(冗談です)続編が見たいです。あ、でも、コレで終わりってなるのも味的に良いかも……うあ、でも…………見たい!見たいです!!! (2021年7月3日 15時) (レス) id: 3b5cd0d846 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 味付けのりぃさん» そう言って下さり有り難うございます! (2019年8月9日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
味付けのりぃ - あああぁぁぁ…まじで涙出たぁぁぁぁ…いい話すぎる(?)この作品を作ってくれてありがとうございます…!こんなん泣くしかねーわ(( (2019年8月9日 1時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 557*ココナさん» この作品を読んで下さり有り難うございました!! (2019年7月29日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
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