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二次会に行かない選択をした私と同じように、櫻井くんも行くことを断った。
送ってあげますよ？
そう言った言葉通り、私がいくら「大丈夫！」と言っても
櫻井くんは「一人で歩けますか？」と私のおぼつかない足取りを見て笑って
結局送ってもらうことになった。
調子に乗って飲み過ぎたことが仇となるとは・・・
.
「電車ですか？」
「うん」
居酒屋から出て、駅までの道のり、櫻井くんに腕を支えてもらいながら歩いた。
「櫻井くん家はどの方向？」
「逆方向だって言ったらどうしますか？」
「もうここまででいいって言う」
駅のホーム、ふと気になって投げかけた質問に、櫻井くんは少し意地悪な返しをしてきた。
逆方向だったら櫻井くんに悪いし、
私の家まで向かっていたら終電を逃してしまうかもしれない。
電車に乗ったら、マンションは駅から3分。
それくらいなら一人でも大丈夫そう。
「なら内緒で」
「え？」
「ほら、電車来ましたよ、乗りましょう」
グイッと腕を引っ張られて、あっという間に電車の中。
椅子は全て埋まっていて座れない。満員電車。
もしかしたら櫻井くんは全く逆方向の電車なのかもしれない。
「ねえ櫻井くん・・・うわあ！？」
そんなことを考えていた矢先
電車が発車して、揺れた勢いでグラッとバランスを崩したら
「危ないから、こっち来てください」
腕を優しく引っ張られて、そのまま身体を閉まったドアの背につけられ
櫻井くんが目の前に立った。
「Aさん今隙だらけで危ないですよ」
ドキドキしたのはどうして？
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年1月17日 18時
